●謝逸楓氏(造詣の深い不動産専門家)
謝逸楓氏
――「購入制限令」、不動産市場のキーワードに
中国社会科学院が12月7日に発表した11年の「経済青書」の分析によれば、10年は不動産調整の年であり、中央政府による調整効果は顕著だった。デベロッパーの土地漁りはほぼ抑制され、融資・投資の利用と投機的住宅のニーズもほぼ抑制されたことで、住宅の上昇幅は09年の25%前後から、今年は15%まで下落すると予想される。
「購入制限令」が10年の不動産市場のキーワードだ。購入制限令が頻繁に打ち出されたのには一定の背景がある。謝逸楓氏は次の3点を挙げた。第1に、行政による調整が疲弊し、力に欠けている、第2に、市場化というマクロ調整政策が遅滞して制定されない、第3に、高い住宅価格と庶民の内的不満が直接、民生の難しさを示している。こうした背景の中、購入制限令は「乱麻」を断つ「快刀」となった。
謝氏は「調整政策が徐々に浸透すれば、仮に住宅価格が引き続き高騰して下落しない場合でも、さらに調整政策が打ち出されるだろう」と指摘した。
●張照新氏(農業部農村経済研究センター副研究員)
張照新氏
――食糧増産、農産品の市場価格を安定させる
国家統計局が12月3日に発表にした統計データによると、10年の食糧総生産量は5億5000万トン近くにのぼり、昨年より2.9%の増産と、7年連続して豊作を記録した。
これについて、張照新氏「今年の食糧の増産はまず、中国の総合生産能力が安定して向上し、農業の基盤的地位も強固になったことを説明している。好成績の背景には政治的要素、天気の要素もある。政策面から見ると、国はこの数年一貫して増産を重視し、一連の政策・措置を打ち出してきた。総体的に、食糧生産を促す政策的枠組みが形成され、7年続けて増産となったのは、政策的枠組みが非常に有効だったことを示している。天気の面では、春の自然災害は比較的深刻だったものの、後期は条件が比較良かった。とくに東北地区は後期の日照条件が良く、食糧の増産に大きく貢献した」指摘した。
さらに「今年の食糧増産により、安定した当面の農産品市場、価格市場に非常に有利な条件が整った」と強調した。
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