世界のスパイたち
2010年7月8日、米国ニューヨーク・マンハッタン連邦裁判所で取材を受けるロシアのスパイ容疑者アンナ•チャップマンの弁護士ロバート•バウム氏 (AFP通信)
美人スパイ、二重スパイ、核スパイ……深く潜伏する舞台裏の人物が、今年は相次いで表舞台に登場した。7月、ここ20~30年で最大規模のスパイ交換が米国とロシアの間で行われ、米国諜報部員4人とロシアのスパイ10人が交換された。美人スパイのチャップマンを含むロシアのスパイ10人はモスクワに戻った後、たちまち「犯罪者」から「英雄」となり、首相の接見を受け、最高栄誉賞を授与された。
スパイ交換の場所はウィーン。機密情報関係筋によると、ウィーンは「スパイの巣」であり、現在70~80カ国のスパイ約2500人が活躍しているという。ウィーンに常駐する外交員やその家族がほぼ2万人であることを考えると、2500人というのは恐るべき数字だ。
今年はスパイについての話題に事欠かなかった。11月、グルジアはロシアのために情報収集にあたっていたスパイ13人の身元を公表した。スパイスキャンダルにより、ロシアとグルジアの長年にわたる緊張関係がさらに深刻化した。
自然災害避難民
2010年 8月6日、ロシアで発生した森林火災で消火活動にあたる男性 ( AFP通信)
今年7月、ロシアで史上最も深刻な森林火災が発生した。森林80万ヘクタール余りが焼け、50人以上が死亡、500人以上が負傷した。2000棟余りの建物が焼け落ち、5000人以上が路頭に迷った。2つの軍事基地が焼け、核兵器基地も延焼の危機にさらされた。
ロシアが2007年に公布した新林業法では、森林保護対策が弱化され、7万人余りいた森林保護員が1万2000人まで減り、森林を効果的に管理したり保護することができていない。資金不足のため、ロシアの森林保護隊は特殊消化装置、通信機器、防護用具が極端に不足している。さらに、大火災発生時に一部係員が発生を隠して通報しなかったこともあって、最終的に大火災となってしまった。
激しい炎はロシアにやけどを負わせ、そして人々にも頻繁に起こる自然災害の背後にある元凶について深く考えさせている。
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