2010年を振り返ってみると、世界のニュースには多くの人々が登場した。奇跡的に救助されたチリの鉱山作業員、世界の表舞台に現れたスパイたち、「チャリティー旋風」を先導したバフェット&ゲイツ、ますます凶悪化するハッカー、徹底抗争に出たフランスのストライキ参加者、撤退したイラク駐留米軍……この一年、世界の人々の目をひきつけたのはどの人々だろうか?
タイ「赤シャツ隊」
2010年3月28日、タイの首都バンコクで、スローガンを掲げて集会に参加する「赤シャツ隊」メンバー(史先振撮影)
国際空港の強制占拠、政府官邸の占領、ASEANサミットへの打撃、デパートの焼き打ち……2006年のクーデター発生以来、「黄シャツ隊」、「赤シャツ隊」の街頭政治行動はますます激化している。今年3月から5月の2カ月余りの間に起きた集会や衝突で、少なくとも88人が死亡し、200人以上が負傷。この18年間で、タイで最も血なまぐさい事件となった。街頭闘争によるタイの直接経済損失は46億ドルに達し、観光業は深刻な影響を受け、大量の失業者が出た。
動乱は、地域間、都市・農村間という二つの発展不均衡が存在し、貧困層と中産階級とが深刻に対立する「分裂するタイ」を映し出していた。
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