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2010年中日関係 回顧と展望  
中日関係の再出航に向けて

 

釣魚島船舶衝突事件によって中日関係は今年、深刻な打撃を蒙った。年末に日米は空前の規模の合同軍事演習を行った。石垣市議会議員2人が釣魚島周辺の島に勝手に上陸した。さらに「南西諸島」に重点を置く日本の新たな「防衛計画の大綱」も最近発表された。中日戦略的互恵関係に逆行するこうした動きによって、中日関係は深く傷つけられた。いかにして両国関係のさらなる後退を防ぎ、座礁した戦略的互恵関係の再出航を図るかが、両国にとって重要な課題となっている。

中日関係が手を焼く難題にぶつかった時には、具体的な問題から身を離し、哲学的思考をしてみると、光が差すかもしれない。古代から現代にいたるまで、中日両国は「易経」や「論語」の多くの哲学思想を共有しており、「陽極まりて陰生ず」「過ぎたるは猶及ばざるが如し」「大吉は凶に還る」など、禍福・吉凶が互いに転じる観念は広く知られている。

少し前に菅直人首相は中日友好21世紀委員会の委員との面会で「私は中国の指導者との間にすでに一定の信頼関係があると考えていた。船舶衝突事件後に中国政府があれほど強硬な措置を講じるとは思っておらず、驚きを覚えた」と述べた。この発言を聞いて私はすぐに、1985年に中曽根康弘首相が靖国神社を参拝したことで引き起こされた大きな風波を連想した。中曽根首相も当時、中国の指導者との間に個人的な信頼関係があると考えていたが、結果的に国内でのこの行動によって中日関係は深刻に損なわれた。中日関係は「善に従うは登るが如く、悪に従うは崩るるが如し」であり、禍福・吉凶は時に政策決定の一瞬にある。このため為政者は貴重な中日友好をなおさら大切にしなければならない。さもなくば自らと中国が長年蓄積してきた「友好資本」は深刻な借越状態に陥り、後悔しても後の祭りとなる。

「易経」に「羝羊(ていよう)藩(かき)に触れる、退くこと能わず、遂げること能わず」との言葉がある。物事を行うには軽率であってはならない。さもなくば柵を角で突いて挟まり、進むことも退くこともできない羊のようになってしまうという意味だ。中日間に釣魚島の領土主権をめぐる争いが存在するのは客観的事実だ。これをうまく処理するには大きな知恵が必要だ。無鉄砲な行動をとってはならない。さもなくば為政者は身動きのできない苦境に陥る。

中日戦略的互恵関係とは全局に立ち、長期的視点から互恵・ウィンウィンを図ることだ。釣魚島をめぐる争いは中日関係の大局に影響を与える可能性のある敏感な局部問題であり、些細な動きも全体に波及する。このため中日双方は慎重にも慎重を期し、「局部は全局に従い、全局を促進すべきであり、全局を損なってはならない」との原則に基づき、適切に処理しなければならない。

「易経」は「物極まれば則ち反る」と説き、問題を絶対のものとして見てはならないと人々に戒告している。トウ小平は哲学と全局をわきまえた人だった。トウ小平は釣魚島問題について「係争を棚上げし、共同開発する」方針を打ち出した。つまり中日関係全体の大局に配慮し、「ゼロサム」を避け、「ウィンウィン」を図るということだ。現在日本側はこれらの島々は「日本固有の領土」であり「中国との間に係争はない」と公言し、さらには米国を引き入れて中国に対抗し、防衛戦略の重点を南方に移そうとしている。もし日本側が後に引けなくなるような発言をし、かつ一歩一歩そのような行動を起こし、さらには中国を仮想敵にするのなら、日本にとってはいかなる神々の加護も望めぬ凶兆と災禍の種となるだろう。

歴史を鑑とすれば、力の盛衰が見えてくる。「日本外交文書」第18巻と第23巻の記述によると、1885年に日本の明治政府は秘密調査の結果、釣魚島がすでに清国(中国の清政府)領として認められていることを確認し、敢えてこれを占有しなかった。だが明治政府は1894年に甲午戦争(日清戦争)を発動し、戦勝の機に乗じて、馬関条約(下関条約)締結前の1895年1月、釣魚島を盗み取った。その後、傲慢不遜な日本軍国主義は最終的に敗戦・投降の悪運を逃れられなかったが、戦後の米国の介入によって、中日間に釣魚島の争いの火種を残した。

われわれの世代に知恵が足りず、釣魚島係争の解決が困難なのだとしても、少なくとも危機の再発とエスカレートを防ぐために努力することはできる。これは中日戦略的互恵関係の再出航に寄与する。(編集NA)

「人民網日本語版」2010年12月15日

 

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