◆売るのはCO2排出量のみではない
EBの検証を得た温室効果ガス排出削減量であれば実質的な取引を行えることになっているが、太陽熱調理器CDMプロジェクトによるCO2排出削減量はすでに先物として、世界企業ベスト500のスイスの再保険会社やフィンランド外務省に売られている。
豊聯公司の重要な協力パートナーとして、潔能国際投資有限公司はすべての太陽熱調理器プロジェクトの全ビジネス・融資業務に責任を負っている。潔能公司総経理の寧炬氏は「このプロジェクトはそれほど科学技術を駆使していないが、優れたところは、その概念が素晴らしいこと、設計が精緻であることで、多くの家庭にエネルギー節約・排出削減に参与してもらえる。中国は工業分野でのエネルギー節約・排出削減だけでなく、国内のごく普通の庶民も積極的に排出を削減していることを全世界に示している」と強調する。
さらに寧氏は、このプロジェクトで最も感動的なのが民衆の参与であり、排出量削減だけでなく、社会的効果が顕著で、多くの貧困層を援助していることだ、と指摘する。
プロジェクト実施地区の農業関係当局は、プロジェクト最大の特徴は貧困支援で功を奏していることだと話す。4人家族として計算すれば、豊聯公司の4件のCDMプロジェクトの受益者は30万人近くにのぼる。
12年に「京都議定書」の第1期規制期間が終了すれば、CDMをいかに発展させるかが、各国が関心を寄せる問題となるだろう。王氏は次のように話している。「12年以降のCO2排出権市場の状況はまだはっきりしないが、現在関心を集めている太陽熱調理器CDMによる排出削減量を購入したいと考える企業はむしろ後を絶たないだろう。彼らの多くはその公益性と、12年以降のCO2排出権市場の将来性を重視している」
「北京週報日本語版」2010年12月9日 |