成功は国際協力に
「国連気候変動枠組条約」第16回締約国会議および「京都議定書」第6回会議はメキシコの観光都市カンクンで開催中であり、約200の国家の交渉代表が一同に会している。
蘇偉・中国代表団副団長、首席交渉代表は、記者に対し、人々のカンクン会議に対する期待値が低下しているとはいえ、本会議は、国際社会が気候変動に対応するにあたり必要なステップであることを確信している、と語った。会議が正確なレールに沿って進み、積極的な成果が得られるのであれば、それは各方面の利益に一致する。各国は、すでに得られた成果をさらに強固に固め、コペンハーゲン会議において到達した政治的共同認識に基づき、政治的な意思を実際の行動に実現させるべきである。
カンクン会議に期待するものについて、蘇偉・交渉代表は、途上国のそれに対応する行動への援助計画を含む、資金、技術移転、エネルギー建設の明確化を挙げ、それが最終的には新しい協議となることができないかもしれないが、関連の問題については、原則性のある、枠組のもとの計画を作成せねばならず、それはカンクン会議が得るべき進展の一つの重要な方面である。
気候変動は、人類が直面する挑戦であり、各国がこれに対応するため、共同で行動し、措置を採るべきである。それが先進国の放つ温室効果ガスによって引き起こされたものであるとはいえ、その影響は、すべての国家、特に途上国においては非常に大きい。ゆえに、この意味において、途上国は、持続可能な発展の枠組のもと、経済を発展させ、貧困を撲滅するプロセスのなかで、可能な限りにおいて、気候変動を減速させ、それに適応する措置を採らねばならない。
中国の行動がもたらすもの
米国のメディアは、カンクン会議の結果を期待せず、その矛盾を中国に向けている。「ニューヨーク・タイムズ」は、気候変動交渉の代表である解振華・国家発展改革委員会副主任のいわゆる「強硬言論」に関して、「解振華氏は、西側国家が中国などの途上国に技術移転を行う、という前提においてのみ、カンクン会議は成功できる、と称している。これは中国をリーダーとする途上国の一貫した見方を反映するものであり、それは即ち、気候変動は、西側国家の数十年にわたる環境汚染により引き起こされたもので、途上国は率先して役割を果す必要はない、というものである」と報道している。
国際社会の中国へ向けられた非難について、解振華・副主任は、「気候変動枠組条約の要求に応じ、途上国は、先進国の資金、技術援助が得られるという状況のもと、持続可能な発展の枠組において、温室効果ガス排出を制限する行動をとる。中国は、先進国の資金と技術援助が得られない状況のなかで、自国の資源を利用し、自主的に自ら温室効果ガス削減の行動をとっており、それは、中国の気候変動問題への重視の表れであり、また、国際社会が気候変動に対応するにあたっての中国の貢献である。今後の5ヵ年計画において、CO2およびエネルギー消費量の削減程度、非石油エネルギーが占める比重、森林面積および蓄積などは、すべて拘束性のある目標であり、それは2020年にCO2排出量を40%~45%削減するという目標の実現のためである」と述べた。
解副主任は、「枠組条約」と「京都議定書」、「バリ・ルートマップ」の権限譲渡、および「コペンハーゲン会議」における共同認識に基づき、途上国は、「共同で区別ある責任」の原則に照らし、歴史的責任のために自己が負担すべき義務を果たし、それは、気候変動に対応するにあたり、必ずや堅持すべきものである、と強調している。また、先進国は歴史的に温室効果ガスの排出量が多く、一人あたりの平均でも相当に高く、率先して排出減のための行動をすべきである。この一点において、中国は、先進国のリーダーシップを期待する。中国は、持続可能な発展を確保すると同時に、積極的に温室効果ガス排出をコントロールする政策措置を採る。各国は共に助け合い、それぞれが力を尽くし、共同で努力し、協力を強化し、気候変動に対応する全体プロセスを推進すべきである、としている。
人民中国インターネット版 2011年12月2日
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