――中米両国の近頃の貿易問題、人民元相場問題上の駆け引きをどう見るか。
1986年に私が米国に来た当時、日本の貿易黒字問題が主要な話題だった。大統領立候補者や参議員、衆議院議員の立候補者などはいずれも日本の貿易黒字を引き下げることを選挙の主要なスローガンとした。その後、1990年代から中国が徐々に日本に取って代わって世界で最も主要な製造業の輸出大国になるにつれて、中国は徐々に日本に代わって米国とその他の国の政治家たちの攻撃の的となった。
2010年の中間選挙で、米大統領も、連邦政府の財務長官も、衆参両院の議員立候補者も、人民元相場、中米貿易黒字を主要な話題とし、中国に多くの圧力を加えている。これは政治的な必要性によるものである。
2つ目の原因は、過去2年間余りのうち、米国経済とその他の国の経済は金融危機の衝撃を受けた。もともと2008年までは、米国の貿易赤字はこれほど大きな政治的議題にならなかったかもしれない。それが金融危機以後、米国の失業率は今10%近くに上がり、米国と中国の貿易問題がこれまで以上に政治化されたのはこの失業率急上昇によるところが大きい。金融危機が発生せず、米国の失業率が10%近くにならなければ、米国の財務長官や政府関係者は今日のように強い圧力を与えなかっただろう。
「北京週報日本語版」2010年11月22日
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