中国財政部の朱光耀副部長は8日、「中国側は米国の量的金融緩和政策の第2弾に注目し、疑問を抱いている。ソウルで開かれるG20金融サミットで米側と率直に意見を交わしたい」と語った。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
朱氏は米金融緩和政策は「世界の金融市場を動揺させる」とし、「為替相場を含む米のマクロ経済政策は世界経済の成長を促進するものであってほしい」と希望を示した。
また、「世界の金融市場に欠けているのは資金ではなく、実体経済への自信だ」と指摘。ノーベル経済学賞の受賞者、ジョセフ・スティグリッツ氏の分析によれば、世界の金融機関は大量のキャッシュを保有しており、株式市場や新興市場国の資本市場にこれらの資金が流れている。すなわち遊資といわれるもので、新興市場国の資本市場を著しく不安定にしているという。
朱氏は「世界の主要通貨発行国である米国は、自国の責任と義務を認識すべきだ。20カ国財務相・中央銀行総裁会議の公報では系統的な影響力をもつ国家はそのマクロ経済政策による諸外国への影響に注意しなければならないと強調している」と述べた。
世界経済の回復がまだ不安定な情況下にある中、米国は自らの責任を負い、責任あるマクロ経済政策を取らなければならない。それは米国だけでなく、世界にとってもプラスとなる。
米連邦準備制度理事会(FRB)は北京時間4日未明、第2弾の量的金融緩和策として2011年6月末までに6000億ドルの米長期国債を買い取り、米国経済のさらなる回復を刺激することを決めた。同時に、金利を0%-0.25%の範囲に据え置くことも発表した。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年11月9日
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