中国人民銀行の馬徳倫副総裁は11月9日、北京で国際金融フォーラムに出席し、「米国の量的金融緩和による他国への悪影響はすでに現れている。これによるインフレ、新興国の国際収支への圧力や資産バブルに警戒する必要がある」と述べた。
馬徳倫副総裁は、米国の政策は自国だけでなく、他国の利益にも気にかけるべきだとし、「米国が近ごろ打ち出した量的緩和第2弾は米国の経済状況を改善するのに有利かもしれないが、世界経済やその他の国の経済成長への悪影響がすでに現れている」と話した。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国経済の活性化のために打ち出した資金投下により、世界経済はバランスを崩し、資産バブルに陥り、さらにインフレの懸念を引き起こす可能性もあると指摘。
さらに馬徳倫副総裁は、人民銀がインフレリスクに警戒し続けていることを強調し、中国の通貨供給量が過剰という見方に反対する考えを示した。
米FRBは3日、量的緩和第2弾を打ち出し、2011年半ばまでに6000億ドルの国債を追加購入することを決めた。ラテンアメリカやアジアの主要新興国の政策決定者はこの決定を非難し、資本の流入を抑制するための新措置を講じる方針を示した。
人民銀の周小川総裁も5日、米FRBが打ち出した政策に不満を示し、「世界の流動性の氾濫などの副作用をもたらす」と強調。また、中国の国際収支不均衡問題については、為替レートの調整、内需拡大、輸出還付税などの調整の検討で対処する考えを述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月9日
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