為替レートをめぐる衝突の行方決定権は米国が握る
玫瑰石顧問公司董事、エコノミストの謝国忠氏は次のような考えを示している。現在の国際為替レートをめぐる衝突の要因は、ドル安を望む米国にその他の経済体が抵抗していることだ。最終的にどうなるかは米国が態度を変えるかどうかにかかっている。米ドルの指数がすでに史上最低に近づいでいるのに、米国政府は依然としてドル安を進めようとしている。
米国は一方的にドル安が雇用問題の解決に役立つとしている。しかし実際はそうではない。米国の雇用問題は企業が投資せず、雇用しないから起こっているのである。投資しない原因は経済構造がまだ調整されておらず、経済政策が不確定であるからだ。
ドル安は米国の経済を救えない。米国は利率を実質ゼロまでに削減し、その予算赤字はGDPの10%に上昇した。しかし、数四半期にわたって力強い伸びを見せた後、米国経済は再び下降傾向を呈するようになり、失業率は依然として10%に近い。経済の刺激計画はすでに失敗に終わった。
全世界の経済分業が相互に補完し、相互に融け合う背景の下で、先進国が本位貨幣の通貨安で輸出を高めることを通じて自国経済成長を引っ張るやり方は、他国の利益を損ない、自国にとっても利益を上げない。
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