貿易の経済貢献度は低下

国家統計局のデータによると、１～９月の中国の輸出入総額は昨年同期より３７．９％増の２兆１４８６億８０００万ドルであった。そのうち輸出は３４％増の１兆１３４６億４０００万ドルだった。上半期との比較では、貿易成長率はさらなる低下傾向にあり、上半期の中国輸出入総額は同期比４３．１％増の１兆３５４８億８０００万ドル、そのうち輸出は同期比３５．２％増の７０５０億９０００万ドルであった。

国家信息中心の分析によれば、中国の輸出が上半期の急成長を維持できなかった原因は、下半期に入ってから世界経済の成長率が鈍化し、特に欧州債務危機以降、財政再建が各国の注目する焦点となり、ほとんどの国が財政支出を引き締め始め、同時に欧州債務危機により欧州諸国の流動性引き締めに向かったため、貿易融資のコストが上昇してしまったことである。これらは中国の輸出にとって不利な影響をもたらした。

このほか、欧米諸国に貿易保護主義が高まり、貿易保護的な財政刺激策がより多く取られたり、こうした措置の実施期間が延長されたりして、中国の貿易輸出に影響を与えた。

中国の輸出税払戻率引き下げも輸出を抑制した。財政部と税務総局は７月１５日から輸出税払戻対象商品のうち計４０６項目を取り消すことを决定した。取消しになったのは主に鋼材、非鉄金属、医薬化学工業およびプラスチック・ゴム製品などの業界で、このため第３四半期以降これらの業界の輸出が大幅に減少した。

財政収入は成長維持

第１～第３四半期の全国財政収入累計は６兆３０３９億５１００万元に達し、昨年同期比で１兆１５２０億６４００万元増え、２２．４％成長となった。財政収入における税収は５兆５９５７億３７００万元で２４．２％成長、非課税収入は７０８２億１４００万元で、９．６％成長であった。

第１～第３四半期の全国財政支出累計は５兆４５０４億９６００万元で、昨年同期比で９３０２億１８００万元増え、２０．６％成長した。

収支を相殺すると、第３四半期の財政は８５３４億５５００万元の黒字となった。これは、中国には債務危機は起こらず、しかも政府の経済社会発展への財政投入がまだ保証されていることを示しており、中国経済の健全な成長に対する自信となった。

しかし財政収入動向から見ると、第１四半期の全国財政収入が３４％成長、第２四半期が２２．７％成長、第３四半期が２２．４％成長と、次第に成長率が低落する傾向にある。現在中国の財政は都市化発展、省エネルギー・二酸化炭素排出量削減、就業、社会保障と収入配分格差などの問題によりさらに高い要求をつきつけられており、財政支出圧力はますます増大している。財政収入が持続的成長を維持できるかどうかが注目されている。

「北京週報日本語版」2010年11月3日