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「東方紅」から「北斗」まで  
衛星による災害軽減

韋 文

一九八七年に第四十二回国連総会は今世紀最後の十年間を「国際自然災害軽減の十年間」と定めた。その目標は最新技術を利用して、今世紀末までに災害による損失を三〇%減少することである。

統計によると、近年来、世界の自然災害による損失は上昇の勢いを呈しており、七〇年代は年間七百億ドル、八〇年代は千二百億ドル、九〇年代中期は千七百億ドルに達した。そのため、先進技術による災害の軽減は人類社会の持続可能な発展の重要な側面の一つとなっている。

宇宙技術とコンピューター技術の発展は災害軽減のための基礎をつくった。特に衛星による災害軽減の特徴は、通信衛星によって気象衛星、資源衛星で入手したさまざまな情報を中継、伝送し、そのうえ衛星の航行を誘導し、位置を探ることを通じて、さまざまな機能をもつ衛星からなる総合衛星データ情報システムが、即時人々に全面的な情報を提供し、災害の防止、軽減に役立たせることにある。

衛星が災害軽減の面で人々に重視されるようになった理由は、高高度の位置ということばかりでなく、災害発生の際に、地面の設備と通信システムが破壊された時、何の影響も受けずに、全天候の情報を提供できることにある。

一応の成果

中国は発展途上国として、国連の「自然災害軽減の十年」の活動に積極的に参加し、自然災害の予報の仕事を重視している。特に「風雲一号」、「風雲二号」気象衛星の打ち上げ成功で、衛星による災害の軽減の面ではめざましい成果をあげた。

一九八六年、八六〇七号台風が広東省の汕頭(スワトー)を襲った。気象部門が台風上陸までの二十四時間に警報を出したため、現地政府は三千余隻の漁船の無事帰港に力を入れ、二十万ヘクタールの農作物の刈り入れを繰り上げて行い、三十五の大中型ダムに対し安全措置を講じた。おかげで損失は約十億元も軽減した。

昨年の夏に、長江、嫩江、松花江流域の洪水防止対策の中で、気象部門は衛星のデータ、映像で被災区の状況をモニタリングし、三十二万平方キロの気象資料を入手し、指導部が「命を賭して堤防を守る」決意を固めるのによりどころを提供した。

地震の短期予報はずっと科学界の難問であった。九〇年代に入って以来、李玲芝高級技師をトップとする中国宇宙工業総公司五〇三研究所衛星地震予報グループは、地震専門家の強祖基氏の指導の下で、衛星リモートセンシング技術を利用して、地震発生前の予報に対し有益な模索を行った。統計によると、一九九六年から一九九八年九月にかけて、地震短期予報は四十六回も行われ、そのうち、十九回は確度が比較的高く、二十回は一般のレベルであった。昨年、同グループは四月十四日に河北省唐山市で発生したマグニチュード四•七の地震、八月十四日に新疆ギャシ(伽師)で発生したマグニチュード六•六の地震の予報に成功し、この成果は同じ分野の人たちに認知された。

中国は森林火災多発国である。統計によると、一九五〇年から一九八六年までの三十六年間に、森林火災の被災面積は九十六万ヘクタールに達した。衛星打ち上げ成功後、情況は変わった。一九八七年五月六日から六月一日まで、大興安嶺で特大の森林火災が発生し、二十六日間燃え続けた。関係部門は気象衛星を利用して火災をモニタリングし、火災情況分析ファックス図を八百枚余り提供し、火災撲滅指揮部に力強い情報を提供した。

未来について

まもなく訪れる二十一世紀に、中国の科学者たちは衛星による災害軽減の面でより大きな貢献をすることを目指している。

昨年十一月に中国宇宙衛星災害軽減センターが正式に発足した。「風雲一号」など三つの衛星の打ち上げに相次いで成功したことに続いで、中国は「風雲三号」気象衛星の研究•開発を急いでいる。「風雲三号」の主な任務は、地球の気候と変化の法則を研究し、広い範囲の気候の変化、自然災害、生態環境をモニタリングし、関係部門に世界各地の気象情報を提供することである。

中国とブラジルが共同で研究•開発した「資源一号」衛星は今年、打ち上げられる。資源衛星のリモート•センシングデータが正確で、スピーディーで、直観的であるなどの特徴をもつため、海洋環境、水害、森林火災、環境汚染、農作物の病虫害、地震、台風など多種類の災害に対するモニタリングに用いられる。「資源一号」衛星の使用は中国の衛星による災害軽減事業を新たな段階に高めることになろう。

小型衛星の技術による自然災害に対するモニタリングはいまや世界の災害軽減事業の新たな発展方向の一つとなった。中国の宇宙産業はユーザーのニーズに応じ、「海洋一号」小型衛星の研究•開発に着手した。これは中国最初の海洋観測衛星となり、主として波浪、潮流、台風、港の泥砂の分布法則の観察に用いられ、二〇〇〇年に打ち上げられる見込みである。

中国空間技術研究院は関係部門と協力して環境と災害の対策としての小型衛星星座技術の実行可能な論証を完成し、この星座は六つの小型衛星からなり、環境災害に対する全天候的観測ができ、すでにユーザーのサポートを得ている。

宇宙遠隔測定、遠隔操作、リモート•センシング技術を基礎としてつくられた衛星データ収集システムはすでに専門家の鑑定にパスし、モデル設計の段階に入った。このプロジェクトは、ユーザーの異なったニーズに基づき、水利、気象、環境保全、林業など多部門の関係あるデータを自動的に収集し、決まった時間、周期によってデータを衛星に伝送し、衛星を通じてデータセンターに伝送して処理を行い、関係筋の政策決定によりどころを提供することになっている。このプロジェクトの完成は衛星による災害軽減事業を新たな水準に高めることになろう。

「北京週報日本語版」1999年6月21日 第25号

 

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