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「東方紅」から「北斗」まで  
「北斗」が照らす生活

本誌記者 唐元愷

2008年5月12日14時28分、マグニチュード8の地震が四川省ブン川の通信施設をすべて破壊し、この県を一時的な「音信不通」状態に陥れた。

その日の晩、第1陣の武装警察がブン川県内に入った。そして、彼らは持参した「北斗1号」の民間用端末機を使って、夜通し、後方支援の指揮部隊にリアルタイムの災害状況を発信し続けた。

北京の衛星ナビ測位指揮コントロールセンターも「北斗」を配備した部隊が徒歩で現場へと急行する姿を監視した。これらの救援士官・兵士のほとんどは海事衛星電話を装備していなかったうえ、現場が山間区で無線電信局との連絡がスムーズに進まなかったため、先へと進んだ一部の偵察分隊にとっては、「北斗1号」の端末機が唯一の連絡手段となったのだ。

ある救援小分隊は山間区に入ったあと、30時間余りも後方と連絡できなくなった。彼らも「北斗1号」の端末機を持参していたため、北京の衛星ナビ管理センターは時を移さず位置確認を進め、部隊に知らせて迎えの者を派遣、最終的には500人余りの被災者を連れ出した。

「大地震後、“北斗1号”の測位システムは災害救助の初期における大部分の通信任務を担い、かけがえのない役割を果たしました」と話すのは、北斗1号衛星ナビ測位サービス業者である北京神州天鴻科技有限公司マーケティング部の王永亮経理。

人民解放軍総参謀部測図局や中国衛星ナビ応用管理センターなど、関連部門は各タイプの「北斗」を1000台以上、緊急に災害用に振り向け、地震の救援に向かう将兵の手に送り届け、現地間および現地と北京の間の「ホットライン」を実現した。「被災地区の通信が完全には回復せず、情報伝送がスムーズに行えない状況のもとで、各救援部隊は北斗1号を利用してさまざまな情報を即座に、正確に送ったのです」という中国衛星ナビ測位応用管理センターの趙康寧常務副主任によると、北斗1号は第一線の地震救援部隊に毎日、延べ7万回近くの測位サービスと3万件近いショートメッセージを提供した。

衛星と地上コントロールセンターとの複合的な測位技術を採用しているため、「北斗1号」では使用者が自らの地理的な位置を知ると同時に、コントロールセンターも彼らの具体的な位置がわかるのである。双方向通信はまた、総本部への状況報告を随時可能にし、救援物資の申請と同時に、端末使用者である救援部隊に対する指揮センターの管理、調整もやりやすくした。前進する途中で新たに被災者を発見した場合は、指揮センターに知らせて派遣要員を増やせるほか、ヘリコプターで負傷者を送る必要がある場合は、空き地の位置や周辺の天候などを逐一知らせることができるのだ。

「北斗」は私たちの暮らしに密着していて、これを使えば見られないところはないことに多くの人が気づくだろう。「ナビ衛星は放送局のようなもので、みなさんのカーラジオのようなものです」。中国衛星ナビ工程センターの冉承其副主任は、かつて上海で開かれた「国際ナビゲーション産業と科学技術発展フォーラム」の席上、「北斗」と一般市民との関係をこのように喩えた。マイカーに衛星ナビシステム「北斗」を取り付けたカーナビについて、彼は自らの経験を次のように語る。「“北斗”はGPSにはない長所があり、静止した地図の中でリアルタイムな道の渋滞状況をナビシステムに反映できます。衛星ナビシステムは一目で車両の位置を見抜き、車中の画面でドライバーに伝えることができるのです。同時に、都市では現在時の交通情報も画面に表示でき、従来は主だった高架道路でだけ示されていた色分けによる交通情報がまず明確に表示されて、車の中で自分が行きたい道の状況を知ることができるようになり、前もって渋滞を避けることができるのです。これは貴重な時間の節約で、エネルギーの消費や汚染を減らすこともできます」。

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