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「東方紅」から「北斗」まで  
中国の運搬ロケット技術の新たな発展

 

「長征2E号」クラスター型ロケット

「長征2E号」クラスター型ロケットの開発は一九八八年十二月十四日李鵬総理主宰による国務院工作会議で認可決定したものである。同ロケットは「長征2号」をベースに、第一段を四•六メートル長くし、第二段を五•二メートル長くし、第一段目ロケットに直径二•二五メートル、高さ十五メートルのブースター四個を取りつけた。最上部一段と有効積載物はすべて、直径四•二メートル、高さ一〇•五メートルのカウリングのなかにセットされる。同ロケットは全長五十一メートル、離陸時の重量四百六十四トン、離陸時の推力は六百トンで、八•八トンの有効積載量を高度二百ないし四百キロの地球軌道に乗せることができる。

発射台にそびえる「長征2E号」クラスター型大推力運搬ロケット

「長征2E号」クラスター型ロケットによって打ち上げられたパキスタン初の気象衛星

 

「長征2E号」クラスター型運搬ロケットによる衛星打上げは、スペースシャトルによる衛星発射と同じである。まず最上段のロヶットと衛星を近距離軌道に乗せる。それから近距離軌道から最上段のロケットに点火し、「リレー」式に二•五ないし三•二トンの大型通信衛星を高度三万六千キロの地球静止軌道に乗せるというもの。もし液体水素と液体酸素を練り合わせた最上段ロケットを使えば、重量四•五トンの衛星を地球静止軌道に乗せることができる。七月十六日の今回の打上げは中国長城工業公司と米ヒューズ社とで締結した、一九九一年と一九九二年にヒューズ社製造のオーストラリア通信衛星二個の打上げ契約にもとづき、前もって行った発射実験である。今回はオーストラリア衛星の模擬衛星一個を携帯し、あわせてパキスタンの小型科学実験衛星一個を搭載、総積載量は七•四トン。

「長征2E号」クラスター型運搬ロケットの開発、打上げの成功によって、中国の運搬ロヶット技術上でのこれまでの壁が突き破られた。このロケットは「長征2号」をベースに改良されたものだが、動力、テレメータリング、外部観測、構造、コントロールの五大システムのすべてに新技術が採用されている。並列構造の動力学の特徴、推進剤余剰量の減少、エンジン性能の向上、大型衛星のカウリング、大型地上発射台および新構造、新材料新技術など一連のカギとなる問題が解決された。したがって、中国が今後より大きい、より新しい運搬ロケットを開発し、将来大型宇宙飛行体を発射するのに、少ない投資で、発展速度の速い有効なルートが開拓された。

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