欧州宇宙機関(ESA)ではそれに先駆けて2003年9月27日にSMART-1(Small Missions for Advanced Research in Technology)という月周回衛星で月の表面を観測している。ミッションの目的は、NASAと同じくその先の惑星探査を見据えたものである。
SMART-1は、2004年11月16日にに月周回軌道に移行し、翌2月に入ってから月面の多くの写真やデータを送ってきて多くの成果をあげたが、2006年9月3日には、月面のクレータに衝突させてミッションを終了した。
SMART-1には、D-CIX というX線スペクトロメータとSIR という赤外線スペクトロメータ、AMIEという小型CCDカメラなどが搭載されている。
ESAサイトに行くとよく公開されているモノクロの鮮明な月のイメージは、このカメラが撮影したものである。
欧州のSMART-1の成果によって、このようなセンサを使って月面を200mほどの解像度かつ多バンドで観測することができ、多くのデータが収集されたが、残念ながら、まだ極域の水発見など決定的なニュースは届いていない。
欧州ではこのミッションの継続として、2008年に打ち上げ予定のインドのチャンドラヤーン1号に協力することが約束されており、協力としてSMART-1に搭載した機器と同様の機器を供出する計画になっている。
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