インドでは、2000年頃から月ミッションに関する計画が進められている。2008年10月22日に打ち上げた月探査衛星チャンドラヤーン1号が11月4日、最後の地球周回軌道飛行を成功裏に終了、月面探査に向けた月周回軌道に移る。チャンドラヤーン計画はインドの宇宙開発の歴史で画期的な出来事だ。鉱物をはじめとする月面上の資源を探すのが目的だが、他国の衛星打ち上げ請負など宇宙ビジネスへの波及効果を期待できるだけでなく、軍事面でも重要な意味合いを持っている。
チャンドラヤーン1号は、インドの経済力、技術力が顕著に進歩した証しだ。打ち上げ成功によって、インドは米国、ロシア、日本、中国と並んで月探査ミッションを行う数少ない国の一つになった。探査の目的は、月全体の3次元地形図の作成、戦略上重要な鉱物であるヘリウム3や水の発見だ。ロシアの協力を得た、後続のチャンドラヤーン2号計画も承認された。
インドの宇宙計画は、約2万人の職員と13億ドル(約1270億円、2008年)の予算を誇る原子力省傘下のインド宇宙研究機関(ISRO)が運営している。
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