華魯沂
9月24日、日本側は不法に拘束した中国人船長を釈放することを発表し、中日関係に重大なマイナス影響を及ぼした釣魚島での船舶衝突事件はこれで一区切りついた。同事件は発生以来、中日関係に極めて大きな影響を及ぼし、「官冷民冷」の局面が現われ、双方の政府間と民間の多くの交流活動が取り消された。日本は中国人船長を拘置し解放を拒否、中国はさまざまなルートを通じて日本側に無条件で中国人船長を解放するように促した。駆け引きの中で、中日両国にはそれぞれ損と得があったが、中国の「コンビネーション攻撃」は明らかに優位を占めていた。これに対し、日本側の船舶衝突事件での対応には少しも筋道がなかった。
釣魚島
釣魚島の船舶衝突事件によって、中国大陸、台湾と香港は共通利益を見出し、相互の同一感を強めた。このような同一感は釣魚島保護派の活動だけでなく、一般庶民の行動により強く表われている。「9・18」記念日の前後に、北京、深セン、瀋陽など大陸の都市だけでなく、台湾、香港、ひいてはニューヨークでも抗議のデモ行進が起きた。釣魚島船舶衝突事件によって、大陸、台湾、香港各地の人々及び多くの海外同胞は、歴史、領土などに関わる問題に対しいっそう「一致対外」な態度を見せるようになり、中華民族としてのアイデンティティーが強まった。
釣魚島の船舶衝突事件によって、中国人は軍事化を進め海軍を強大にすることをいっそう支持するようになった。船舶衝突事件が契機となって、中国の人々の「立ち後れるとたたかれる」という痛ましい記憶が喚起され、歴史の傷口が再び痛むようになった。中国の人々は軍事化、特に海軍を強大にする必要性をより具体的に認識するようになった。今後、中国国内では、空母建造であれ、海軍の第一列島線突破のための努力であれ、軍事化が国民と世論からより広範な支持を受けるようになるだろう。これはまさに日本が見ることを望んでいない状況である。
|