中日は米国の駒になってはならない
上述した3件を深く見ていけば、1つの歴史的変遷のプロセスであり、1つの複雑なロジックのチェーンでもある。米国及びすべての当事者にはそこにいずれも得失があり、いずれも多層的な利益が交錯し、多種な力が互いにけん制する複雑な対立の中に置かれている。
米国は釣魚島を通して、中国の発展をけん制する一方、中日関係の進展を抑制することで、自らの東アジアにおける戦略的目的を達成しようとしている。見るに、その利益は非常に大きく、狙いも非常に鋭いが、そこにあるリスクも小さくはない。台湾というこの戦略的駒は米国が長年にわたり扱ってきたものであり、その中国に対する制約的役割はある程度、日本よりずっと大きい。台湾を失うことになれば、米国の東アジア全体の戦略はバランスを失うことになるだろう。
台湾島内から見れば、関係する釣魚島にはもともと李登輝の「日本属地」、国民党の「中華属地」及び民進党の「台湾属地」の争いがあり、島内が内部に圧力を加えている「統一と独立」の争いについて共通認識を形成するために、真に大陸との間で良性な影響を及ぼし合い、感情的な調整が行われれば、それは米国にとって悪夢であることは疑いもない。従って、釣魚島の事態が真に打開されないままなら、より大きな負けを被るのは米国かも知れない。
見るに、米国は釣魚島から利を得ると同時に、そこにあるリスクも負わなければならない。日本も同様であり、米国のサポートから利を得ていても、米国にコントロールされ、米国の戦略的意図に従わなければならない。
中国も交錯しかつ煩雑な乱局に直面している。第1は、中米関係を維持する必要があるが、米国と釣魚島との本質的な関係をはっきりさせなければならない。第2は、対日関係であり、鄧小平は当時、重要な発言をし、「棚上げ」して米国を一辺に放置すると提起したことで、中日は発展への好機を迎えた。
国際関係は一貫して相対的なものであり、中米は現在、釣魚島をめぐる大きな対立の中にいるが、今回のラウンドでは米国は得点がやや多そうだ。乱局からいかに自身の最大の利益を探し出すか、カギとなるのは、誰が高く立ち、遠くを見ているかであり、まさに囲碁を打つように、1つの駒に目を凝らせば、優勢に立つことができる。
今日では、我々は棋士に合格し、米国と公開で対決し、合理的に競争する能力を備えている。もともと日本にはこうした芽生えがあったものの、どういうわけか、今回は米国の計略に陥ってしまった。今後、中日は真の大国になる努力をする必要があり、自ら独特の貢献をし、米国の駒になるようなことがあってはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月11日
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