釣魚島をめぐる紛争の“延焼”で、日本は初めて「法に基づき」中国人を拘束し、中国側は珍しく日本への圧力のデシベルを高め続けている。中日関係が転換を迎えている時期に起きたこの新たな紛争は、多くの新たな特徴を呈しており、はかない中日の「蜜月」は早くも終わろうとしている。
釣魚島紛争は1970年代から続いており、中日関係にとって不定期的な爆弾だった。過去の幾つかの紛争に比べ、今回は尋常ではなく、中日両国政府はいずれも厳しい試練に直面している。
◆新たな一波の特徴
まず、日本側について言えば、今回の船舶衝突事件で、日本は初めて前年7月に施行した「領海外国船舶航行法」に基づき、「違法」に領海に侵入した中国の船舶を拘留するとともに、船員を拿捕し、この事件を「筋道を通して」日本の司法当局に委ねた。今回の紛争は、政権が代わって民主党政権の時に初めて起きた。この1年来、民主党の「疎米親中」政策は日本の国内保守勢力の攻撃を受けたにとどまらず、世論も民主党の国家利益維持に対して懐疑的であり、そのため民主党は、国を治める正当性を強固にするために、釣魚島と東中国海の油田問題で強硬な姿勢を示さざるを得なかった。
一方で、90年代から大陸では釣魚島保護運動が盛り上がっており、中国政府も民間からの圧力に直面している。過去、関連する事件が原因で起きたナショナリズムを処理し、中日友好関係を維持する問題では、慎重な行動を取ったものの、むしろおおかた思い通りの結果が見られた。今回の紛争では、日本が中国公民を逮捕したことで事件が直接、外交問題になったことが、中国政府があくまでも漁業監視船を釣魚島海域に派遣し、さらに異例にも日本の駐中国大使を連続して何度も呼び、徐々に抗議がエスカレートしていった原因だ。
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