纐纈厚氏
どのように日本の若い世代に戦争を正しく認識させるか。特に第2次世界大戦中に日本が発動した侵略戦争への理解と責任について。日本の歴史学者・纐纈厚氏はこのほど人民網のインタビューに応じ、この問題について深く読み解いた。
「戦後生まれの若者である我々は過去の戦争に直接の責任はなくとも、明日の戦争には責任がある」--。日本の歴史学者・纐纈厚氏は著書『私たちの戦争責任』日本語版の扉にこう記した。纐纈氏はこの言葉によって日本の若者に、日本が第2次大戦時に発動した侵略戦争を正しく認識することは、戦後生まれの日本の若者の「戦後責任」であり、もし歴史を避け、忘れるのなら、歴史は繰り返される可能性が高いということを伝えようとした。
1時間余りのインタビューで纐纈氏は、日本の「平和憲法」第9条を変更しないことの重要性を繰り返し強調した。纐纈氏は「戦争を放棄し、戦力および交戦権を否認する平和憲法第9条は、中国などアジア諸国との戦争はもう発動しないとの日本政府の決意を明らかにするものだ。ひとたびこれが改正されれば、日本は戦争発動の権利を手に入れる。戦争責任は国境や時効を超越したものだ。これはつまり、全ての被害国に対して謝罪し、しかもその期間の終わりを限定しないことによってのみ、日本は真に戦争責任を担ったことになるということを意味している」と述べた。
纐纈氏は1951年に岐阜県で生まれ、現在、国立山口大学の副学長、東アジア歴史文化学会会長、日本平和学会理事などを務めている。纐纈氏は一貫して、圧力を跳ね返し、日本の軍事・政治の発展と変遷に関する研究をたゆまず続けるとともに、日本政府と日本国民に対して、本当の歴史を尊重し、戦争責任を担う勇気を持つよう、力を込めて呼びかけ続けている。09年には著書『私たちの戦争責任--「昭和」初期二〇年と「平成」期二〇年の歴史的考察』が日本で出版された。
同書は1年後、折しも「中国人民抗日戦争勝利ならびに世界反ファシズム戦争勝利65周年」の際に、中国でも『私たちの戦争責任:歴史的批評と現実的考察』と改題し、人民日報出版社から刊行された。(編集NA)
「人民網日本語版」2010年9月17日
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