本誌記者 繆暁陽
大阪館の永井隆裕館長(繆暁陽撮影)
「環境先進都市・水都大阪の挑戦」をテーマにする上海万博の大阪館は、日さまざまな先端環境技術を披露している。先ごろ、大阪館の設計理念や水都大阪の「水の知恵」について、本誌記者は同館の永井隆裕館長に独占インタビューした。
大阪館の永井隆裕館長によると、今年は上海と大阪府の友好都市結成30周年、大阪市と友好都市締結36周年である。「大阪府、大阪市は一緒に参加している。なぜ上海万博の『ベストシティ実践区』に参加したのかというと、それはやはり史上最大規模である上海万博は中国の皆さん、世界の方々に、大阪の良さをもっと知っていただけるチャンスであると思ったからだ。それで上海万博に出展・参加した」と永井隆裕館長は述べた。
大阪館は、大きく分けて「桜のトンネルと水都大阪のにぎやかさ」の体験、「花と緑、光と水」のショー、「環境先進技術・関西の魅力」の展開という3つのエリアで構成されている。
「こうした高度な浄水処理システムや水道技術に、中国の行政関連の方や企業の方が大変大きな興味を示している。私たちは、環境や水の面での技術を中国や世界にアピール、貢献していきたい」と永井隆裕館長は語った。
また、大阪万博と日本の経済発展の経験を振り返り、上海万博と中国の経済発展について、永井隆裕館長はこう述べた。「今からちょうど40年前に大阪万博が開催された。その時は日本が一番高度成長していた時期で、万博のおかげで成長が成長を呼び、技術が技術を呼ぶというような形で相乗効果が現れ、経済発展の基礎が築かれた。上海万博でもいろいろな技術や文化的な展示をしているので、同じような効果が生まれると思う。ただ、大阪万博開催の際には日本や世界は余り気付いていなかったが、経済成長のマイナスの面、つまり公害問題や地球環境問題も現れ始めた。大阪は万博開催の前後からそうした経験をし、大気汚染や水質汚濁などいろいろな公害問題が出てきた。そして、大阪は全国に先駆けて、有害物質等を規制する条例を制定し、産学官が協力して公害対策、環境問題対策の技術を磨き、世界でも先端をいくような環境技術に磨き上げた。中国は今、高度経済成長が続く国であり、上海万博を開催しており、時代は違うが、これだけ経済成長していればマイナス部分も出てくるはず。昔、日本も10%近い経済成長率で発展してきたが、持続的に、永久的に安定成長するためには、経済一辺倒ではなく、やはり自然を守り、水や自然、生活環境もよくしながら経済も良くしていかなければならない。」
「北京週報日本語版」2010年8月26日
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