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元駐日特派員林国本さんの眼  
11日の大相撲名古屋場所の放送を聞いて

 

 

                                      林国本

毎回、大相撲の放送を聞いてきたが、相撲ファンの1人として、今回は痛心にたえない体験であった。あの歯切れのいいアナウンサーの報道もなく、高位の力士経験者による勘所を押えた解説もなく、実にさびしいかぎりであった。

しかし、これは日本の国技ともいわれる相撲と日本相撲界にとっては、再生と体質改善のための大きな試練であろう。あれだけ多くの力士が「野球とばく」に手を出し、解雇、謹慎などの処分を受けたことは、多くのファンにとってはたいへんなショックだったであろう。もちろん、これは日本国内の事であるので、外部のものがあまり深く立ち入って論評することは避けるべきであろう。また、中国でもごく少数のケースであるが、サッカー界で「八百長事件」が起こり、サッカー界で「人事異動」があり、ファンを失望、落胆させたこともあったが、今ではその「挫折」を乗り越えて前進をとげている。日本の相撲界も今回の「挫折」を乗り越えて再生するに違いないと思っている。

かつて、日本のお家芸といわれてきた柔道も、外国選手に押され気味であり、相撲の世界でも、モンゴルなど外国人力士が活躍する時代に入っている。そういうことで相撲の世界も旧態依然のままではさらなる発展は難しい。今回は外部の有識者たちが体質改善のために協力することになっているらしい。とくに力士をあずかり、育てる親方までが「野球とばく」に関係していることを報道で知り、事の深刻さをより深く感じている。

モンゴル国籍の力士の問題にしても、親方、相撲部屋がしっかりとしたものでなければ、人を教育することは難しいのではないか。

一相撲ファンとして、また、すばらしい実況放送が聞ける日が早く来ることを願っている。また、今回の「挫折」は、日本の大相撲界の新生のきっかけとなることを願っている。

大企業からの協賛の取り止め、外部からの賞杯の授与中止、入場者の減少、日本相撲界にとっては、大きな試練であるが、ファンたちは相撲界が立ち直ることを信じている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月15日

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