◆戦略的相互信頼の前提は相互の核心的利益を尊重することである
国交回復以降、両国の軍事関係は「発展、停止、再発展、再停止」という奇怪な輪に従ってきた。双方はこの奇怪な輪を打破したいとしているが、非常に遺憾なのは、その努力に今に至るまで顕著な成果が見られないことだ。中国は「尊重、相互信頼、対等、互恵」の原則に即して、米国と軍事協力を含む各分野での協力関係を発展させている。
長年にわたり、中国側は戦略的立場と長期的角度から両軍の関係に対処、処理することを堅持し、それを両国関係の重要な一部として、中米間の正常な軍事関係の発展に尽力してきた。両軍はトップの往来、防衛協議、専門分野の交流、軍艦の相互訪問など多分野で徐々に交流と協力を展開してきた。両国の軍事面のトップは頻繁に相互訪問し、国防副大臣クラスの防衛協議も何度も行っており、国防部の間にホットラインも設置された。また多層的な軍事要員による相互往来・訪問制度を確立。海上の軍事安全協議メカニズムも徐々に起動に乗り、両国の海軍も何度も相互訪問し、海上合同救援演習も実施した。事実が示すように、両軍の関係は安定的に発展しており、両国人民の根本的利益に合致し、世界と地域の平和と安定の維持にも重要な役割を発揮してきた。両軍の関係をさらに発展させることが、中国側がなした戦略的選択である。
米国は世界で唯一の超大国の威厳を借りて、支配的な姿勢で中国の国防の近代化プロセスを一方的に批評している。中国について言えば、国の利益と国際的なイメージにかかわる問題では、中国は当然、自らの姿勢と立場を積極的に表明しなければならない。中米関係の新たな歴史的なスタート地点に立って、両軍関係を発展させるには、新たな思考、新たな措置、新たな突破が必要である。馬副参謀総長は今年のアジア安全保障会議で、アジア太平洋地域の新たな安全パートナーシップの構築に関して5項目の提言を行った。即ち、安全に関する総合的な理念を確立し、全面的なパートナーシップを発展させる。安全に関する共同の理念を確立し、平等なパートナーシップを構築する。安全に関する開放された理念を確立し、相互信頼にもとづくパートナーシップを育成する。安全に関する協力の理念を確立し、互恵のパートナーシップを実現する。安全に関する発展の理念を確立し、前向きなパートナーシップを構築するというものだ。
中米両国の軍隊は、交流を通じて信頼を確立し、相互往来の中でそれぞれの国の核心的な利益を確実に尊重するとともに、両国関係における敏感な問題を適切に処理し、両国人民の感情を傷つけたり、互いの国の利益を損なったりしてはならず、両国の人民に実際的な利益がもたらされるよう、世界の平和と人類の進歩に福音がもたらされるよう、ともに努力しなければならない。
「北京週報日本語版」2010年7月16日
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