取材対象者:童富智/男/北京第二外国語学院大学院生(修士課程)
キーワード:真実
今回の訪日で、私は通訳を務める機会に恵まれた。訪日の感想を一言でまとめるなら、それは「真実」かもしれない。この8日間での経験を通じて、うわべでない生き生きとした本当の日本を多かれ少なかれ感じることができた。そしてそのなんと自然であったことか。
十年近く日本語を学んできて、見た日本のドラマもその年数の分だけ多くなった。ドラマの画面に出現する日本の街を人々が慌しく道を急ぐシーン等に、ずっと疑いの気持ちを抱いてきた。しかし、渋谷や新宿の街で、信号が変わった瞬間に横断歩道で起こった変化を実際に目の当たりにした時に感じたのは、紛れもなく同工異曲の「真実」であった。電車で東京の街をあちこち回っている時、たおやかな佇まいの岐阜の古い城下町で地元の人々と楽しく踊っていた時、そして民宿で現地の人々と親しく話をし、互いに交流し、伝統文化を体験した時に、私は思ったのだ。私たちが受け取ったのは、何よりもまず「真実」と呼ばれるものがもたらす心の触れ合いであったのだと。国家間の友好交流も、異文化間の友好交流も、国民の間の心と心の友好交流によって昇華されるべきだ。そこには国境による隔たりはないからだ。8日間の友好訪問は短いものであったが、得ることのできた真実と感動はこの上なく大きなものだった。(本誌記者 繆暁陽)
「北京週報日本語版」2010年7月9日