取材対象者:朱冉/男/国務院新聞弁公室秘書局幹部
キーワード:民宿での交流
今回の訪日で私を深く感動させたのは、一人の日本のお年寄りだった。
お年寄りの名は稲尾重雄さんという。今年すでに80歳を超える高齢で、生粋の農民だ。岐阜県高山市の民宿での二日目、私たちは稲尾さんの家で餅つきや五平餅作りなど、日本の食文化を体験した。稲尾さんの孫娘は私たちと同年代で、現在上海に留学している。私たちに会うと、稲尾さんは自分の孫娘に会ったかのように喜び、熱心に自分の若い頃の話をしてくれた。私たちから見れば、稲尾さんは優しい隣の家のおじいさんのようで、尋ねたいことは尽きなかった。別れの時、稲尾さんは別れを惜しんでバスのところまで見送りに来てくれた。稲尾さんは私の手をしっかりと握って、心をこめてこう言った。「中日友好が幾世代にもわたって続くように、君たち若い世代が頑張りなさい!努力しなさい!」私は感激して何度も頷いた。
帰国して瞬く間に半月余りが過ぎた今も、稲尾さんの話がいつも耳元によみがえってくる。幾世代にもわたる中日友好、それは日本のお年寄りが私たちに託した心からの願いであり、平和を愛する無数の中日両国国民の念願でもあるのだ!中日両国は一衣帯水。両国民の友好と交流は2000年以上も続き、鑑真和上の来日や松山バレエ団等、多くの中日友好の物語が紡がれてきた。訪日期間中、私は絶えず日本と中国の間の断ち切りがたい縁を感じていた。日本の漢学者、内藤湖南の言うように、「日本文化は豆腐を磨った液であり、中国文化はそれを凝集させて豆腐を造るためのニガリ」なのである。(本誌記者 繆暁陽)
「北京週報日本語版」2010年7月9日