5月17日から19日に北京で開かれた中国共産党中央、国務院の新疆活動座談会で、資源税改革を新疆で先行実施することが決定した。それに続き、国務院は先般国家発展改革委員会の『2010年経済体制改革重点活動の深化についての意見』に同意した。『意見』では、年内に資源税改革案を打ち出すことが明確にされた。これは資源税改革の実施が間近に迫っていることを意味している。
中国の資源税率は非常に低く、市場価格をゆがませており、資源の採掘と利用効率にマイナスとなり、経済の持続可能な発展を妨げている。改革の要点は従量税方式から従価税方式に変え、資源税の税目を拡大すること。資源税の改革は中国経済に大きな影響をもたらすことが考えられる。
資源税の企業への影響は、主に企業の生産コストへの影響を通じた、生産量への影響だ。短期的に、市場価格が変わらず税負担が転嫁できないという状況下で、資源税率の引き上げは企業の生産コスト削減による効率向上を促し、エネルギー消費の削減につながる。企業による商品価格の引き上げが可能な場合、つまり税負担を転嫁できる場合、企業は生産量を増やすことで利益獲得に走るだろう。したがって、短期的に資源の過度な需要を抑えるため、政府は資源税を制定する際、税負担が転嫁できる場合の状況、資源税率の引き上げにより生産量が増加するかどうか、それによって資源需要が高まるかを考える必要がある。
資源税の産業投資への影響は、関連産業の投資収益率の低下により、投資が減るということだ。資源税の徴収により成長が速すぎる高エネルギー消費産業への投資を抑えることができる。資源税徴収において、資源多消費企業の生産コストの控除範囲や基準(減価償却など)、税額減免または優遇などに対する規定は、その投資収益の規模に直接関係しているため、投資に実質的な影響を及ぼす。資源税の徴収が企業の投資収益率の低下につなげることができなければ、投資への影響は中性的なものになる。資源税の徴収で所得税負担が軽減され場合、表向きには投資収益率が低下したとしても、企業の実質投資収益率は上昇し、投資をかえって増やすことになる。したがって、合理的な資源税率の設定が非常に重要になる。
いずれにせよ、短期的に資源税は資源性製品と代替製品の価格を高めることになる。しかし資源税は企業の採掘コストと生産コストを高めることになり、効率の低い企業は市場撤退を迫られ、資源の過度な採掘と利用は減り、資源採掘と利用の効率は高まる。さらに、資源性製品と代替製品の価格上昇は需要を抑制することができ、省エネ促進にプラスとなる。資源採掘と利用効率を高めることは、資源価格の上昇幅を小さくする上で必要条件である。資源採掘と利用効率の向上分と資源価格の上昇分が互いに相殺できるとなると、長期的に資源税は資源性製品の価格を上げるのでなく、下げる可能性もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月3日
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