■中国は平和発展路線を堅持
----温家宝総理のおっしゃる通り、北東アジアの安定と平和は最も重要です。中国は急速に軍事力を強化し、海軍力を増強しています。国力の増強と同時に、中国の若者の間で愛国主義や排外的な感情が高まっていることが懸念されています。総理はこの問題をどうご覧になりますか?
中国の軍事力についてですが、実は軍事費の伸びを知りたいのでしょう。中国の軍事費は世界的に見て高い水準ではありません。長年の間、中国の軍事費はGDP比で1.5%未満ですが、世界の平均は4%です。しかも中国の軍事費は主に人件費に使われているのです。こうした事を私が余り説明する必要はないでしょう。重要なことは、中国の軍事力の発展が透明なものであるということです。中国は近現代史において、列強にひどく凌辱されました。私たちは平和や独立が得難いものであるということを良く知っています。中国が防御的な国防政策を遂行する唯一の目的は自衛にあります。中国はこれまで、他国の土地を一寸たりとも侵略占領したことはありません。どの方面から見ても、中国はいかなる国への脅威にもならないのです。私は今回日本で数回講演しましたが、その中で常に「中国は平和発展路線を堅持し、永遠にいかなる国への脅威にもならず、永遠に覇権を唱えない」と強調しました。
中国の青年の愛国精神についてですが、私はこれは肯定されるべきものだと考えます。私自身が愛国主義者なのです。私はかつてこのように話しました。「私の細胞の一つ一つ、鮮血の一滴一滴が愛国だ。たとえ私が死に、燃やされて灰になっても、なお愛国だ。重要なのは、一人の人間、一つの民族が、私たちに平等に接する国家や民族に対して平等に接することをわきまえ、調和ある世界の構築のために自らの貢献を果たすことだ。私たちは若者を教育し、世界に関心を持ち、人類全体の運命に関心を持つようにしなければならない。つまり世界的な視点を持たねばならないということだ」----と。
「人民網日本語版」2010年6月2日
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