■朝鮮半島の平和・安定に本質的に寄与する対応を
----現在世界中が、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件に対して中国がどのような姿勢を示すかに注目しています。中国はどのように考えているのでしょうか?私たちには、中国は比較的慎重な姿勢をとり、朝鮮とも韓国とも一定の距離を保っているように見えます。これはどうしてですか?事件の背景が不明なため観察を続ける必要があるからでしょうか?それとも朝鮮を刺激したくないからでしょうか?
温家宝総理:「天安」の沈没は不幸な事件でした。私たちは韓国国民、特に犠牲者の遺族の悲痛な心情に理解を示し、慰問の意を表し、犠牲者に何度も哀悼の意を表してきました。中国は正義を重んじ、責任を負う国です。この問題の処理において、私たちはいかなる私利も求めていません。私たちは朝鮮半島の平和と安定の維持に着眼しています。私たちは韓国と他の国々による共同調査、および各国の反応を重視しており、事の真相、つまり事の是非曲直に基づいて立場を決定します。
私たちは各国に冷静さと自制を保つよう呼びかけています。事態をエスカレートさせてはなりません。ましてや衝突を発生させてはなりません。衝突が起きれば、最も被害を受けるのは韓朝両国民であり、中国も被害を免れないからです。中国には「城門に火事が起きると、災いは池の魚にも及ぶ」ということわざがあります。このように感じるのは近隣国だからこそでしょう。この問題について、私は李明博大統領と計4時間ほどじっくりと話し合いました。私たちの話し合いは一貫して、友好的で率直な、理解し合う雰囲気の中で行われました。
中国の立場は明確です。第1に、一貫して半島の平和・安定の維持を主張し、かつ尽力すること。第2に、6カ国協議を通じて半島の非核化問題を解決する方針を堅持すること。この2つは共に北東アジアの平和と安定に関わります。6カ国協議はより本質的な意義を備えており、半島の非核化を実現することによってのみ、朝鮮半島の長期的な安定を実現することができるのです。
日本は北東アジアにおける重要な国であり、中国と韓国の隣国でもあります。私たちは北東アジアの安全と協力など重大な問題において日本と協力したいと考えています。昨日私は鳩山首相と小範囲の会談をもちました。元々15分間の予定でしたが、実際には30分余り話し合いました。
----韓国は週内に「天安」事件を国連安保理に提起するとみられます。国際社会もこれに期待しています。中国に対する期待も高く、中国がより積極的に朝鮮問題に取り組むことを望んでいます。中国はこれに対してどのような姿勢で臨んでいますか?
温家宝総理:中国は李明博大統領や韓国政府の現在の困難な立場を理解し、韓国国民の心情も理解しています。さきほど述べたように、中国は事の真相に基づいて自らの立場を決定します。私たちは各国の状況や反応を真剣に理解・検討し、公正かつ客観的に姿勢を表明します。私たちが安保理でどう行動するか、引き続き見ていてください。
----韓国は対応に苦慮しているようですが、中国も朝韓の板挟みで困っているのではないですか?
温家宝総理:私が繰り返し表明しているように、私たちは一方をかばうことなく、公正な立場を堅持していきます。しかし私たちは、問題をより深く見ています。つまり、いかなる対応を取るのであれ、本質的に半島の平和と安定に寄与するものでなければならないということです。
「人民網日本語版」2010年6月2日
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