現在の経済状況から、3国の異なる産業優位性が自由貿易区建設に基礎をもたらしたことがわかるだろう。比較的発展している日本と韓国は資本と技術密集型産業の競争で優位に立っており、中国は資源や労働力密集型製品で競争の優位に立っている。
しかし、内外情勢の変化や各国の経済構造の調整に伴い、こういった条件は続くのか、自由貿易区建設が各国に及ぼす不利な要素は何か、制度確立を通じいかにコストを最低まで下げるかについて深く考える必要がある。
地域の自由貿易 世界的な動き
この動きは米国の金融危機が世界の貿易と経済構造に重大な影響をもたらしたことがもととなっている。欧米経済は今回の危機で大きな打撃を受け、保護貿易の傾向が強まった。世界経済の回復が不安定で、二国間貿易協定交渉が妨害される中、二国間または地域経済の自由化の推進が主な動きとなり、それは主に自由貿易区の建設に現れている。
専門家は、自由貿易区のメリットは関税引き下げ後の貿易への効果だけでなく、その後のサービスや資金、人員移動にも多くのメリットがあると話す。また自由貿易区は良好な環境をつくり出し、企業の投資と経営活動に対する自信を高める。自由貿易区の検討と建設も関係方面の協力を強化するという政治的願いを表しており、政治関係の改善にプラスとなる。世界経済の回復の道が紆余曲折を繰り返し、各国の経済政策の調和を図る必要がある中、これらの優位性はより強調されることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月1日 |