2日間にわたった第3回中日韓首脳会談が5月30日、韓国・済州島で閉幕した。この重要な外交に関する報道に各国の違いがみられた。韓国メディアは韓国哨戒艦「天安」号沈没事件をめぐる3首脳の交渉内容に紙面を割き、中日両国や一部の西側メディアは客観的に自由貿易地域に関する進展について重点報道をした。経済参考報が伝えた。
新華社によると、会談は3カ国が各分野で協力強化していくことで合意した。なかでも3首脳は2012年までに中日韓自由貿易地域に関する共同研究を終え、自由貿易交渉を加速するため3カ国協力事務局を来年韓国に設置し、単一経済圏の構築に努力する考えを示した。日本共同通信社によると、3首脳は総合的な経済協力関係を強化することで合意し、投資の自由化を定めた日中韓投資協定の交渉を夏までに実質合意させることで一致した。
専門家によると、中日韓3カ国の具体状況について、マクロ経済の関係とミクロ的な企業の往来でみると、3カ国には自由貿易地域の初歩的な条件は揃っている。国務院発展研究センターなどの機関が提供したデータによると、経済総量がアジアで2位、1位、4位の中日韓3カ国がまとまれば、その経済規模はアジアの約7割、世界の約2割を占め、欧州連合(EU)と北米に次ぐものとなる。自由貿易地域が出来上がれば、人口15億人以上の大市場が出現することになる。
このほか3カ国の貿易増加や貿易構造などの変化により自由貿易地域の交渉は益々現実味を帯びてきている。中日韓間の貿易総額は2000億ドル近くにのぼる。中国は韓国にとって最大、日本にとって2番目の貿易相手だ。また日本は韓国にとって2番目の貿易相手でもある。3カ国間の貿易が各自の貿易総額に占める割合は近年著しく増加している。
日本の読売新聞によると、中国の経済力の増強に伴い、中国は自由貿易地域の交渉において徐々に優位を占めるようになっている。3カ国が03年に自由貿易協定交渉に関する民間共同研究を始めた際、中国の態度は積極的だったが、日本と韓国は慎重な態度を示した。しかし今では状況が変化し、反対に日本が中国に自由貿易協定への加入を勧めている。日本側の関係者は「中国がゼロ関税で日本から部品を輸入すれば、中国製品の競争力向上にとって有利になる」と説得する。
自由貿易地域のメリットは関税削減後の貿易効果だけにとどまらず、それに続くサービス、資金、人の流動にも数多くのメリットがあると、専門家は指摘する。またより良い環境づくりにより、企業が投資と経営活動を展開する上での自信増強にもつながるという。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年6月1日
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