青海省玉樹チベット族自治州で発生した大地震で死亡し、寺院に3日間安置されていた約1千人の遺体が17日、一斉に火葬された。火葬現場では、1千人を上回る遺族が、犠牲となった家族に涙の別れを告げた。僧侶数百人が活仏の導師で読経、犠牲者の冥福を祈り、遺族を慰めた。
火葬を主宰した結古寺(ジェグ・ゴンパ)の僧侶は同日早朝、境内に安置された犠牲者の遺体を何度かに分けて結古鎮南部の山の中腹にある扎西大通天葬(鳥葬)場に運び、臨時で掘った火葬床に並べて置いた。
係員が9時50分、木片やバターに火をつけ、火葬が始まった。僧侶達は、火葬場から約50メートル離れた山の斜面に座り読経した。遺族達は数珠を持ち、手を合わせて黙とうした。付近の住民達も、転経筒(チベット仏教の経文が刻まれた筒)を手に、見知らぬ犠牲者の冥福を祈った。火葬は2時間ほどで終了した。自動車や担架で家族によって運ばれた犠牲者の遺体10数体も火葬された。
読経した活仏によると、チベット地区の民衆は、遺体を鳥葬にするのが一般的という。しかし、今回の地震では、多くの死者が出たため、鳥葬では時間がかかることと、被災地での伝染病予防を考慮して、犠牲者の遺体を火葬で処理するのが最も妥当だという結論に至った。この処置は、宗教規定にも合致する。現地では通常鳥葬が行われるため、火葬場は用意されない。
「人民網日本語版」2010年4月19日
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