切り上げ圧力が掛かる元相場に国内外の注目が集まっている。中央銀行の通貨政策委員会委員で国務院発展研究センター金融研究所所長の夏斌氏によると、世界的に深刻な経済危機下にあって人民元の為替相場制度は中国経済の急回復を支えた。09年の中国の経済成長が世界の経済成長に半分は貢献している。
この観点を、第1四半期のマクロ経済データが証明している。国家統計局が発表した大まかな推計によると、中国の第1四半期の国内総生産は前年同期比11.9%増の8兆577億元に達し、成長率が5.7ポイント加速した。
胡錦涛国家主席はこのほどオバマ米大統領と会談した際、中国が推進する人民元為替相場メカニズム改革の方向に変更はないとの意向を表明し、これは中国自身の経済・社会の発展にとって必要なことであり、具体的な改革措置は、世界の経済情勢の変化や中国の経済状況に基づき総合的に考慮されるべきで、外部の圧力によって推進するものではないと言及した。
しかし外部の切り上げ圧力に屈しないからといって中国が為替相場問題にこのまま我を張り続けるわけではない。夏氏は、すでに「最も最悪な時期」は過ぎたとし、金融危機の影響が徐々に薄らぐに伴い、中国は人民元の上下変動幅を拡大し、為替相場の弾力性を高める必要があるとの見解を示す。
「一部の米学者が言うように人民元を一気に大幅に切り上げれば、中国経済は冷え込む。これは世界経済や中国経済、海外の消費者にとって不利なことだ」と夏氏は付け加えた。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年4月16日 |