先週、米ドル下落の影響を受けて、人民元の対米ドルレートが小幅ながら上昇した。中国外匯(外国為替)取引センターが発表する人民元の対米ドルレート基準値が5取引日連続で小幅に上昇し、2日には1ドル=6.8260元に達して、昨年5月25日以来の最高を更新した。
市場アナリストによると人民元の対米ドルレート基準値が小幅上昇した主な原因は、オーバーナイトスワップ市場で米ドルが下落したことにある。先月26日以来、米ドル指数は82ポイント台から今月1日の終値では80.6ポイントまで下がった。アナリストは、これは単純な市場の動きに過ぎず、人民元が回復上昇していることを意味しないし、人民元レートの短期的な安定状態に影響も与えないという。
商務部の陳徳銘部長は先月30日、商務部のサイトで「中米経済貿易関係の健全な発展を建設的に推進する」と題する文章を発表し、その中で人民元レートが中国・米国間の貿易不均衡問題を解決できないと指摘した。また2005年から08年にかけて、人民元の対米ドルレートは21.1%上昇し、同じ期間の米国貿易の対中赤字の年平均増加率は21.6%に達して、過去最大、過去最速を記録した。09年の人民元の対米ドルレートは安定を維持し、米国の貿易赤字に占める対中赤字の割合は16.1%減少した。こうしたことから、貿易の流れを決める要因は、市場の受給関係にあり、レートにはないことがわかると述べた。
実際、米ドルの最近の上昇傾向を受けて、人民元の米ドル以外の通貨に対するレートが上昇。米国が2日に発表した3月の非農業就業人口数は07年3月以来で最多だった。市場には、今週も引き続き米ドルが上昇するとの観測が流れている。(編集KS)
「人民網日本語版」2010年4月6日 |