本誌記者 曾文卉
ボッシュの暖房設備を使用した家庭のイメージ
寒かった一日、仕事を終えて暖かな家へと戻る。20℃のリビングルームでコートを脱いで18℃のキッチンへ、夕食の後は22℃の書斎でくつろぎながら本を読み、就寝前に40℃のお湯でシャワーを浴び、それから安らかに眠りにつく――これが博世(ボッシュ)熱力技術 (北京)有限公司が描く快適で低炭素なライフスタイルだ。室内温度を1℃下げると約6%の稼動費用が節約できることは知っておくべきだ。合理的な室内温度はエネルギー消費を減らすだけでなく、温室効果ガスの排出も大幅に減らす。
省エネと再生可能エネルギー使用で排出削減を実現
統計によると、建築エネルギー消費で発生するCO2排出量は全国の総排出量のおよそ34%を占め、各家庭での暖房は建築エネルギー消費のうち最大の比率を占めている。そのため住宅暖房におけるエネルギー使用効率を高めることは、中国で推進しているCO2排出削減計画にとって重大な意義があると言える。
ボッシュ・サーモテクノロジー部門の孟慶峰マネージャーは記者に次のように説明した。低炭素暖房の実現は次の二点に他ならない。一つは省エネで、エネルギー消費が少なければそれだけ排出も減る。もう一つはクリーンエネルギーを推進し、風力、太陽光、水力、地熱エネルギー等の二酸化炭素を発生させない再生可能エネルギーを使用することだ。
省エネの角度から出発し、ボッシュは家庭用冷却凝縮タイプ壁掛け式ガスボイラーを開発した。同類製品と比べて30%省エネが可能だ。一般の壁掛け式ボイラーで発生する高温の煙と水蒸気は 煙道を通じて排出されるが、ボッシュの製品は先進的な冷却凝縮技術を採用し、煙と水蒸気のうちの水蒸気エネルギーを回収して、煙と水蒸気のエネルギーの二次利用を可能にした。
また、ボッシュは再生可能エネルギーの開発にも力を注いでいる。孟慶峰氏の紹介では、現在北京、上海と「日光の都」ラサ等で広く利用されているボッシュ太陽集熱パネルと暖房用ボイラー、貯水器を連結し、太陽光を利用して家庭暖房と給湯を行っている。調べたところでは、ボッシュのこの製品は従来型暖房設備と比べて1平米当たり毎年400~450キログラムの二酸化炭素を減らすことができる。
しかし今のところボッシュのこうした暖房設備は全てドイツからの輸入で、顧客も主にミドル・ハイエンドにポジショニングされている。しかしながら、「ミドル・ハイエンドの顧客はやはり少数派で、中下層が大きなウェイトを占めており、CO2排出削減の角度から考えれば、より広く普及するほどCO2排出削減効果も高くなる」。そこで孟マネージャーは、来年は徐々に一部の製品をより「平民化」していくことを考えている。
市場マネージャーの夏宏氏の紹介によると、経済危機という不利な状況下においても、ボッシュのサーモテクノロジー部門の売上はは二ケタ成長を実現している。再生可能エネルギーの普及は世界の共通認識になっている。夏宏氏は言う。「ボッシュ・サーモテクノロジーは管理層から技術、市場プロモーション部門まで、再生可能エネルギー製品の中国での普及に重点を置いていく」。孟慶峰氏も、エネルギーはますます逼迫し、省エネルギーで環境にやさしい製品の普及は各界の共通認識となっており、それは企業が持続可能な発展を実現するために努力する方向性でもある、と考えている。
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