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四川地震被災地の再建  
地震からの復興――ブン川モデル

黄 衛

2008年5月12日、北緯31度、東経103.4度にある四川省ブン川県映秀鎮を中心にして、この60年で最も破壊力が強く、波及範囲が最も広く、救済活動の難度が最も高い地震が発生した。そして一年余りがたった今、やはりここを中心とした周囲10万平方キロ余りの大地で、かつて満身創痍だった100以上の被害の大きかった地区の町や村は、そのほとんどが再び美しい田舎町となってよみがえっていた。

この奇跡の発生は、あの災害が起こった後間もなくまで遡る必要がある。中国政府は断固として対策を定めて迅速な手配を行い、全国の力を結集して、最短期間内に中国の歴史上動員規模が最も大きく、投入したパワーが最も大きく、再建支援のスピードが最も速い震災後の復旧再建活動を展開したのだった。

再建計画の「一つの省が一つの被害の大きかった県を援助する」という対口支援(「対口支援」は、比較の経済の発達した省や直轄市が被害の大きかった地区の再建を一対一で支援する仕組み。パートナー支援)方式に基づいて、全国19の省や市が組織した10万もの再建支援の大部隊がすぐさま四川省、甘粛省、陝西省にある19の被害の大きかった県に駆けつけ、「三年でほぼ復旧、五年で発展振興、十年で全面的に『小康』(ややゆとりのある状態)へ」という災害後の再建目標を立てた。この再建支援の大部隊には、北京オリンピックや上海万博パビリオンを建設した主力部隊もいれば、かつて唐山大地震の震災後再建に加わった特級建設企業も参加していた。再建の大部隊のうち、多くが経験豊富で優秀なえり抜きの管理・技術人材で、強力な再建支援陣容が組まれた。

中央政府の規定によると、各支援省・市が毎年対口支援する実物や作業量はその省・市の前年度地方財政収入の1%を下回ってはならない。この比率は、ブン川県と被害の大きかった地域である北川県を対口支援する広東省と山東省の再建支援資金総額がそれぞれ82億元、100億元以上であり、19の省・市の四川省、甘粛省、陝西省への対口支援資金総額が7000億元を超えることを意味している。

2009年秋、かつては一面の廃墟だった小中学校2000校余りの三分の二がすでに竣工し、半数以上の小中学生が再び新しい学校で授業を受けられるようになった。2010年元旦までに、住宅を再建する必要のあった120万世帯余りの農民のうち99.8%がすでに新居に入居した。被災地域の工業企業はほぼ全てが生産を回復し、産業構造配置は合理的に調整された。被災後の再建によるけん引作用の助けを借りて、四川省の被害の大きかった市・州の2009年の経済発展スピードは全省の平均水準を上回った。

今日のブン川は、一面の建築ラッシュだ。今日のブン川は、至る所に生産と生活の活力が満ちあふれている。ブン川の奇跡は、中国が力を結集して大事を成し遂げたことの現れであり、中国の特色ある被災後再建モデルのサンプルケースでもある。

対口支援は中国の特色ある地域協力モデルの効果的な試み

2008年、四川ブン川大地震から一ヶ月に満たないうちに、国務院は『ブン川地震災害後の復旧再建対口支援案』(「対口支援」は、比較の経済の発達した省や直轄市が被害の大きかった地区の再建を一対一で支援する仕組み。パートナー支援)を発表し、東部や中部の19の省に「一つの省が一つの被害の大きかった県を援助する」方式でブン川地震の被害が大きかった地域を対口支援するよう求めた。それ以来一年余り、四川省の対口支援活動は順調に進捗している。1月下旬、対口支援メカニズムの被災地復旧再建と長期発展に果たした役割等に関連する問題について、『北京週報』記者の黄衛は四川省社会科学院マクロ経済・工業経済研究所の盛毅所長にインタビューした。盛毅教授は四川省の災害後再建計画の策定において専門家意見を提供している。

北京週報:中央政府が災害後の再建で対口支援実施を打ち出すことになった出発点は何か?

盛毅:対口支援ははっきりとした中国的特色のある資源協力と地域協力のメカニズムであり、その重要な内容の一つは発達した地域がその地域の財政収入を使って被支援地域に資金的援助を提供することだ。

このメカニズムは5•12ブン川大地震後に初めて作られたものではない。1970~80年代にはすでに、上海、江蘇等、東部の発達した地域がチベット自治区、新疆ウィグル自治区、三峡ダム地域、その他貧困地域や特殊な困難のある地域を対口支援する政策があった。ブン川地震後、各省・市が積極的に援助の手を差し伸べ、被災地に各種の援助を提供した。中央政府はすぐさまこうした自発的な再建支援モデルを秩序立てて調整し、災害後の国家再建計画の重要な内容の一つとした。地域経済学と発展経済学には「対口支援メカニズム」についての概念や内容があるが、このように大規模な対口支援を実践するのはこれが初めてのことだ。

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