年に一度の旧正月帰省ラッシュがまた中国で話題になっています。もうすぐ旧正月、今年はこの伝統的祝日がちょうど西洋のバレンタインデーと重なり、ロマンチックな組み合わせになりました。でも帰省して家族と一緒にロマンチックな旧正月を過ごすには、まず帰省のための切符を買わなければならず、それはこの時期、決して容易なことではありません。
本当に多くの人々が帰省します。中国交通・運輸部の推定では、1月30日から3月10日、つまり旧正月前の15日と旧正月後の25日の間に、全国で延べ二憶人以上が移動すると見られています。移動のピーク期間には、全国の駅で毎日650万人の旅客が列車を利用します。
お金があってもなくても、旧正月は家で過ごす――中国人が旧正月に帰省したいという気持ちは、親孝行が世の中で最も重要な美徳とされる中国の伝統文化によるものです。故郷を出て働く人々は、どれだけ家から離れていても、旧正月当日には家に帰っていたいのです。
現在中国には2憶の流動人口がおり、比較的立ち遅れた中西部から北京や上海、杭州、珠江デルタ地域へ出稼ぎに来ています。そのため、旧正月休み前はこれらの地域から労働力提供元である河南省、四川省、湖南省、湖北省等の中西部に向かう切符が手に入りにくく、旧正月後はこれと反対に、中西部から北京や上海等の発達した都市へ戻る切符が入手困難になります。
輸送力を高めるために、中国政府は高速鉄道の建設に力を入れています。数千億元を投じて建設した武漢-広州間の高速鉄道は時速350キロに達することができ、世界一の高速列車となりました。しかし切符の値段が高いため、出稼ぎ労働者の一部はやはり手が届かないと感じています。高速列車の条件はかなり良いものの、ほとんどの人は混雑する普通列車を選択しています。
北京西駅では、切符売場の列は長いながらも秩序整然としています。寒さの中でも、帰省する人々の心の中には家族団らんへの期待と温かなぬくもりがあるに違いありません。帰省する皆さんの道中のご無事をお祈りします。
「北京週報日本語版」2010年2月10日
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