こども気候変動フォーラム(李楚珩さん提供)
今回のこども気候変動フォーラムで最も印象深かったことについて、李楚珩さんは、「気候変動は各地域に与えた影響が異なっているため、各地域からきた青少年の気候変動に対する理解も異なっている。一番印象深かったのはあるハイチからきた生徒の経歴だ。この生徒によると、ハイチはカリブ海にある島国であり、2008年の2ヶ月において、4回の暴風の襲撃に遭った。洪水が起きた後、地元の人々はいつも山の上へ逃げ、山に着いた後は生計を維持するために森林を伐採する。しかし、森林の伐採は環境の破壊にもなり、このような悪循環は彼らを悩ませている」と語った。
「それ以外に、あるモルジブからきた生徒のストーリーにも心が痛んだ。周知のように、モルジブは島国だ。平均海抜高度はわずか1メートル程度であるため、海水面が少し上がると、多くの国土が消えてしまう。この生徒はすでに3度引っ越しをしているが、それはもっとよい家を見つけたためではなく、前の家がすべて海水に沈んでしまったからだ。あるグリーンランドからきた生徒によると、グリーンランドは北極に近い大きな島であるため、すべての文化が氷の上にある、という。地球温暖化に伴い、氷層が溶け始め、もし全島の氷がすべて溶けてしまうならば、国のすべての文化もなくなるだろう。これらのストーリーを通じて、北京の教室で感じられない多くのことを聞き、気候変動に対する理解を深くした」と李楚珩さんは言った。
聞くところによると、コペンハーゲンで行われたこども気候変動フォーラムに参加したこどもの中に5人の中国人生徒がいた。彼らが提出した「気候変動に関する教育を重視しなければならない」という提案が『こども気候変動宣言』に書き込まれた。「コペンハーゲンに行った時には、私たちは現地の生徒と交流し、いっしょに環境保護の授業で勉強し、環境保護の授業はデンマークだけではなく、多くの先進国の必修科目であることに気付いた。しかし、中国の気候変動に関する教育はたいへん不十分であり、地理の授業ですこし教えられる程度で、一つの課程にはなっていない。そのため、私たちは、各国が気候変動に関する教育を教育プロジェクトの一部にし、義務教育の中に組み入れられるよう希望している、ということを提案した」と李楚珩さんは述べた。
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