「戦略的互恵関係を全面的に推進することに関する中日の共同声明」は、両国首脳の定期相互訪問制度を確立し、原則として1年ごとに相互に訪問し、多国間の場でも頻繁に会談する、と明確に指摘している。その方針の下で、09年というこの1年に両国の指導層は二国間、多国間の場で何度も会合し、会談した。
3月29-4月4日、中国共産党中央政治局の李長春常務委員が日本を友好訪問し、訪日中、当時の麻生太郎首相と会談したほか、野党の指導者や社会各界の代表と幅広く接触し、二国間関係と共に関心を寄せる問題について深く意見を交換した。李常務委員の日本訪問は、09年上半期において中国の指導層による重要な訪問であり、これにより中日の戦略的互恵関係のさらなる発展が促された。
4月2日、胡主席はロンドンで開かれた20カ国・地域の首脳による金融サミット(G20)に出席した際に麻生首相と会見。世界が国際金融危機に対応している中、胡主席は中日関係の発展に関する5項目の提案を行った。麻生首相は「日中双方は両国の戦略的互恵関係を強化し、各分野での両国の意思疎通と協力を拡大して、共に国際金融危機に対応しなければならない」との考えを表明した。
4月11日、国務院の温家宝総理はタイ・パタヤでの東アジアサミット関連会議への出席の合間を縫って、麻生首相と会談した。温総理は「国際金融危機がまだまん延、拡大している中、中日両国が直面する共同の利益と共同の責任は増えており、双方は強い責任感と使命感をもって協力を強化し、連携して挑戦に対応し、戦略的互恵関係を推進しなければならない」と強調した。麻生首相は「日本側は対中関係を極めて重視しており、中国側と共に模索して交流と協力を強化し、共に国際金融危機に対応して、両国関係の発展をさらに促したいと願っている」と述べた。
4月29日、麻生首相は中国を公式訪問するため北京入りした。08年9月の首相就任後初めての訪中で、胡主席と温総理がそれぞれ会談した。
9月16日、鳩山由紀夫氏が首相に選出された当日、温総理は鳩山氏に首相就任の祝電を送るとともに、「中日双方が共に努力して、戦略的互恵関係が新たな歴史のスタート地点でより大きな発展を遂げるよう促したいと思っている」と述べた。
9月21日、胡主席は国連の一連の首脳会合に出席した折、ニューヨークで就任したばかりの鳩山首相と会見した。胡主席が鳩山首相と会見したのはこれが初めて。胡主席は先ず首相就任を祝うとともに、鳩山氏が長年にわたり中日関係の改善と発展のために発揮してきた積極的な役割を高く評価。その上で「鳩山首相の在職中に、中日関係がさらに発展する新たな機運に包まれ、将来に向けて一層発展していくよう期待し、そうなると信じている」と述べた。鳩山首相は「日本側は戦略的互恵関係の発展を推進し、その内容を充実させることに力を尽くすとともに、指導層の往来を一段と強化し、相互理解と信頼を強化して、両国の経済貿易など各分野での実のある協力を推進していく」と語った。
10月9日、鳩山首相は第2回中日韓首脳会談に出席するため中国を訪問。首相就任後初めての訪中であり、胡主席と温総理がそれぞれ会談した。温総理は「中日の4件の政治文書の原則と精神に基づき、中日関係の発展という正しい方向をしっかりと把握し、戦略的投入を絶えず拡大し、協力を全面的に強化して、二国関係がより大きな発展を遂げるよう促さなければならない」と強調。
12月14-16日、習近平国家副主席が日本を公式訪問した。日本の新政権発足後、中国の指導者が日本を訪問するのは初めてであり、習近平氏にとっても副主席就任後初の訪日となった。これにより、中国と日本の新政権との連携は深まり、中日の戦略的互恵関係の発展も一段と促された。訪日中、習副主席は天皇陛下と会見するとともに、鳩山首相と会談。双方は中日関係及びその他の共に関心を寄せる国際・地域問題について忌憚なくかつ深く意見を交換し、幅広い分野で共通の認識に達した。また各政党や議会指導者のほか、経済界や日中友好団体などとも幅広く接触。習副主席の訪日で、中日両国と両国人民の相互理解は増進し、中日間の協力は推進され、中日間の友好も深まった。
12月17日、温総理はコペンハーゲンで鳩山首相と会談し、気候変動への対応などの問題をめぐり意見交換した。これは中日両国が多国間会談の場で収めた成果である。
「北京週報日本語版」2009年12月28日 |