最近、北京が2009年末から死刑囚に対し、全面的に薬殺刑を実施することが内外から注目されている。私は、これは中国が最終的に死刑を廃止する方向に向かっていることと一致していると見ている。
中国政府はかねてから、長い目で見れば、中国は最終的に死刑を廃止することになるが、現在は条件がまだ備わっていないと指摘してきた。1996年に改正後の「刑事訴訟法」に、死刑囚に薬殺刑を採用する内容が加わったが、この立法の背景としては、1984年に国連経済社会理事会で採択された「死刑に直面する者の権利の保護の保障に関する決議」で、死刑制度の存続国は死刑を執行する場合「できるだけ痛みを軽減する方法で執行すべきだ」と要求されていることがある。検討を経て、薬殺刑は銃殺刑より死刑囚の痛みを軽減し、死刑囚の死体を完全な状態で保ち、銃殺による脳漿破裂といった残忍な場面を避けることができる、と立法者は考えたのだ。
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