共同会見の様子
胡錦濤国家主席とオバマ米大統領は17日午後、人民大会堂で共同記者会見に臨んだ。
■胡主席
先ほど私とオバマ大統領は良い会談を行い、両国関係の発展や、関心を共有する重要な国際・地域問題について踏み込んで意見交換し、幅広い共通認識に達した。
私とオバマ大統領は共に、米新政権発足以来の中米関係の発展を積極的に評価し、戦略的・長期的視点を堅持し、対話・交流・協力を強化し、21世紀における積極的・協力的・包括的な中米関係の構築に共に努力するとともに、共通の試練に対応するためのパートナーシップの構築に向けて的確な行動をとり、世界の平和・安定・繁栄を促進するために努力していく考えで一致した。
双方は現在の国際経済・金融情勢について見解を交わし、世界経済には下げ止まりと回復の積極的な兆しが見られるが、回復の基盤は磐石でないとの認識を示した。双方は、マクロ経済政策分野で引き続き対話と協力を強化し、対等な協議を通じて両国の経済貿易摩擦問題を適切に処理し、両国の経済貿易関係の健全で安定した発展を共に守っていく考えを再確認した。私はオバマ大統領に、「現在の情勢の下、われわれ両国はさらに断固たる姿勢で、さまざまな形の保護主義に反対し、これを阻止すべきだ」と強調した。
われわれは世界金融危機対策におけるG20サミットの重要な役割を積極的に評価した。中米両国は他の参加国と共に、各サミットの成果を全面的に実行に移し、世界経済の管理におけるG20の役割を不断に強化し、国際金融システム改革を推進し、世界経済秩序を改善することで、将来の危機を防ぎ、対処する。
われわれは気候変動、エネルギー、環境分野で両国の協力を拡大し、「共通だが差異ある責任」の原則と各自の能力を基礎に、関係各国と共にコペンハーゲン会議の積極的な成果を促すことで同意した。両国の関係当局は「気候変動、エネルギー、環境協力の強化に関する中米了解覚書」などの協力文書に調印するとともに、中米クリーンエネルギー共同研究センターを正式に設置した。
会談の中で、私はオバマ大統領に「中米両国は国情が異なり、双方間にいくつか意見の食い違いが存在するのは正常なことだ。相手国の核心的利益や重大な懸念を尊重し、これに配慮することが重要だ」と強調した。また、オバマ大統領が「1つの中国」政策の堅持、中米間の3つの共同コミュニケの遵守を繰り返し再確認し、台湾問題において中国の主権と領土保全を尊重していることを称賛した。双方は主権と領土保全の相互尊重という根本的原則を再確認した。双方は、この原則を破壊する、いかなる勢力によるいかなる活動も支持しない。われわれは引き続き平等、相互尊重、相互内政不干渉の精神に基づき、人権や宗教の問題について対話・交流を行うことで、理解を増進し、溝を埋め、共通認識を拡大していく。
■オバマ大統領
胡錦濤主席と中国国民の手厚いもてなしに感謝する。
米中関係が現在のように、われわれの共通の未来にとってこれほど重要になったことは、これまでなかった。気候変動であれ、核拡散であれ、経済回復であれ、21世紀における重大な試練は、いずれも単独行動では対処することができない。米国が中国が国際社会でさらに大きな役割を発揮することを歓迎し、胡主席と私が21世紀における積極的・協力的・包括的な中米関係の構築を決定したのもこのためだ。
米中のパートナーシップによって、われわれは過去数世代で最も深刻な金融危機を脱することができた。米中のパートナーシップは危機への対応において重要な役割を果たした。
会談では、気候変動問題においても進展が得られた。米国と中国が共に努力しなければ、このグローバルな試練には対応できない。
朝鮮半島の核問題における中国の積極的な努力を称賛する。
米国は中国の主権と領土保全を尊重し、「1つの中国」政策を堅持する。米国はチベットが中華人民共和国の領土の一部であることを認める。
未来に目を向けると、両国関係に意見の食い違いや困難がないということはあり得ない。だが、われわれが引き続き協力を強化しさえすれば、米中両国はより繁栄し、より安全になることができる。
「人民網日本語版」2009年11月18日 |