国家情報センター予測部の範剣平主任は、「次の段階は経済回復の質をいっそう重視する必要があり、政府の投資はもう大風呂敷を広げるようなことはやめて、活動の重点を民間の消費と投資をさらに活性化させることに置き、経済の回復力を自主的成長に適切に転換しなければならない」と見ている。
市場の話題となっている「国進民退(国有企業の進出と民間企業の撤退)」の問題については、「現在、国有資本はインフラ施設の建設と国民生活にかかわる分野で重要な役割を果たしているほか、その一部は大々的に市場競争分野に参入し、民間投資を押し退ける現象、ひいては『国進民退』や国有資本と民間資本が利益を争う局面も出現した」と指摘し、さらに次のように述べた。
「例えば、国有企業は不動産分野での動きがあまりにも活発で、住宅の値段を安定させる重要な力とならなかったどころか、国有企業が銀行で貸付融資を獲得できたり、資本市場で上場できたりするといった“資金を囲い込む”政策的強みを背景に、豊富な資金力で各地の土地競売で土地価格をつり上げる“地王”になることもしばしばで、国民の間に極めて悪い印象を残した。例えば、国有企業が有名な民間企業グループを買収したケースが増えつつあり、欠損を出した国有企業の山東鉄鋼グループが黒字民営企業の日照鉄鋼公司を買収するというおかしな現象も出るまでになった。」
「国有資本は不動産など競争分野から次第に撤退し、独占業種の市場参入制度の改革を推し進めるべきだ。鉄道や通信、航空、石油化学工業などの独占業種、公益事業、社会を発展させる分野に競争メカニズムを導入し、できるだけ速く業種参入制度における不合理かつ制限的な規定を撤廃し、民間企業がこれらの分野に進出することを奨励すべきだ」。
「北京週報日本語版」2009年11月10日 |