国家発改委(発展・改革委員会)マクロ経済研究院の陳東琪副院長は、中国経済は今年急速な成長を遂げた後、2010年も引き続き成長を加速するだろうと見ている。
マクロ調整の予想について、陳東琪氏は4つの方向における注力点について語った。
第1に、経済の持続的、安定的かつ比較的速い成長と合理的にインフレの均衡を取ることとの関係を探ることに力を入れる。経済成長の質、ミクロ経済成長の効果と利益において多くの事に取り組む必要がある。外部リスクの拡大がもたらした経済成長の代価に慎重に対応するべきだ。今後インフレが急速に進めば経済成長に衝撃を与える。インフレ前の注意が不足しないようにしなければならない。
第2に、経済成長のコスト増大という外部からの挑戦に対応することに力を入れる。グローバル経済成長加速の予測により、全世界の原材料価格の上昇は予測より速くなるだろう。高い原油価格がその代表だ。これは経済成長のコストを押し上げるだろう。そのほか、世界規模での保護貿易主義の台頭、気候変動に対応するための低炭素経済の発展および中国不動産価格の上昇は、いずれも中国企業の財務費用と生産コストを高める。事前に体制改革を行い、このようなコスト増大を解決しなければならない。
第3に、先進国が貨幣政策を早々に打ち切ることでもたらされる中国の貨幣政策の一貫性、有効性への挑戦、特に合理的かつバランスの取れた方向へと誘導する為替レート政策への挑戦に対応することに力を入れる。来年、欧米の先進経済体は貨幣政策を数量の面で打ち切るだけでなく、利率の面でも打ち切ると見られる。現在はノルウェー、イスラエル、オーストラリアなどの中央銀行だけが金利引き上げをしているが、来年はさらに主要な経済体が利率を高めるはずであるため、中国の貨幣政策調整が難しくなるだろう。
第4に、消費などの政策一貫性をどのように維持するのか。来年のマクロ政策の一貫性は財政、貨幣政策の面に表れているだけでなく、消費などの具体的な政策の面にも表れており、収入増加や消費環境にプラスとなる政策と措置の促進などを含んでいる。
「北京週報日本語版」2009年11月10日