砂漠化は世界の深刻な環境問題の1つだ。干ばつや過度な開墾、過度な伐採、過度な放牧および水資源の浪費など、人為的で非合理的な活動による砂漠化は、人間が生きるために頼る居住地を侵食し、生態環境の悪化や土地資源の減少および人類の生存と発展への脅威をもたらしている。
土地資源と水資源を保護することは、まさしく人類の未来を保護することだ。中国は世界で砂漠面積が比較的広い国だ。最近の全国砂漠化調査によると、現在の荒漠化面積は263万6200平方キロで国土面積の27.46%を占め、砂漠化面積は173万9700平方キロで国土面積の18.12%を占めているという。また、毎年砂漠化による直接的な経済損失は540億元にものぼり、約4億もの人口の生産と生活が影響を受けている。
中国はここ数年で砂漠化による危害への認識がはっきりしてきたことで、砂漠化防止対策を策定し、天然林保護や砂漠化の予防・改造、休耕造林、“三北(東北・西北・華北)防護林”と“長江防護林”の建設など、一連の重点プロジェクトを実施した。長期的な努力を通して、各プロジェクトは積極的な効果をあげ、土地の荒漠化と砂漠化が拡大する動きはひとまず抑制された。
専門家は「中国では、荒漠化と砂漠化の進行状況はなおも非常に深刻であり、その整備には長期的で困難な道のりが必要で、全社会の共同の努力を必要とする」と指摘している。
内蒙古自治区はここ数年間、一連の生態保護プロジェクトを実施したことで、1675万ヘクタールの荒漠化、砂漠化した土地が整備され、670万ヘクタールの牧場が昔の生命力を回復し、生態環境が改善した。青空と白雲の下のシリンゴル(錫林郭勒)草原で放牧する牧畜民(2008年7月20日撮影)
エジン(額済納)のオアシスを潤す黒河水をみだりに使用したため、黒河の下流が涸れて、アルシャー(阿拉善)地区では生態環境の悪い連鎖反応が起こり、華北地区と西北地区を脅かす砂ぼこりの発生地となっている。エジン・オアシスの上空を覆い隠す砂嵐(2007年6月24日撮影)
ここ数年、内蒙古自治区の生態系悪化の局面がコントロールされ、砂漠化のスピードが砂漠整備のスピードを下回るようになり、生態状況は明らかに改善した。赤峰市ヘシグテン(克什克騰)旗の森林地帯を歩く野生鹿( 2005年2月15日撮影)
寧夏中衛市の砂漠化防止用の段々畑(2008年8月撮影)
干ばつと持続的な強い砂ぼこりによって、内蒙古アルシャー盟エジン旗では、雪融け水で形成された小さな湖がすでに涸れてしまった(2006年5月6日撮影)
内蒙古赤峰市の荒地で木を植える人々(2007年5月17日撮影)
青海省ツァイダム盆地のゴビ砂漠の中にあるクコ園で果実を採取する農民(2005年9月10日撮影)
寧夏のモウス(毛烏素)砂地周辺の人工草地で遊ぶ子供たち(2009年4月18日撮影)
陝西省楡林市にある紅碱淖湿地は、周辺で休耕造林や天然林保護、禁牧などのプロジェクトが実施されたおかげで、生態環境が目に見えて好転し、ここで生息する水鳥の数は年を追って増えている。夕暮れどきの紅碱淖湿地(2005年7月7日撮影)
数年にわたった禁牧と生態環境の整備によって、内蒙古のフンサンダク(渾善達克)砂地の生態環境は次第に回復している(2006年10月撮影)
「北京週報日本語版」2009年6月18日 |