財政部、科学技術部、国家発展改革委員会、工業情報化部の4部門はこのほど、省エネに配慮した新エネルギー自動車の試験的普及事業の推進に力を入れ、同車の量産化や産業化を促進し、中国自動車産業の構造調整を加速的に推進することを目指して、共同でプランを制定した。
▽モデル事業の範囲:13都市でモデル普及活動
同プランによると、新エネルギー車のモデル事業は今後、北京市、上海市、重慶市、長春市(吉林省)、大連市(遼寧省)、杭州市(浙江省)、済南市(山東省)、武漢市(湖北省)、深セン市(広東省)、合肥市(安徽省)、長沙市(湖南省)、昆明市(雲南省)、南昌市(江西省)の13市で展開される予定。
▽普及に向けた方法:公共交通やタクシー対象に財政補助金を交付
モデル事業において、政府は普及対象の企業や車種を指定しないが、新エネルギー車業界への参入基準を制定し、消費者に補助金を交付する。産業チェーンを通じて、自動車産業の各種リソースをよりよく調整し、業界全体の発展を加速させるのが狙いだ。
計画では、財政補助金を通じて、今後4年の間に一部都市の公共交通機関やタクシーなどの社会的サービス分野で新エネルギー車6万台以上が導入されることを目指すという。
公共交通などの社会的サービス分野は、車両保有台数が多く、使用頻度も高く、投資と運営の主体が同一であることが多く、集中的なメンテナンスを行う上で有利だといえる。特に公共交通機関とタクシーは市民の足として重要な交通ツールであり、発車と停車を頻繁に繰り返し、スピードを落としての走行時間が長いため、新エネルギー車の導入による省エネ・排気ガス削減効果が明白で、高い波及効果を示すことが期待される。
▽補助金支給対象の車種:ハイブリッドカー、電気自動車、燃料電池車の3種
新エネルギー車は、これまで使用されてきた汚染度の高い可燃性のある油性燃料(ガソリンやディーゼルオイルなど)に代わって、新しいクリーンエネルギーを動力とする。政府はハイブリッドカー、電気自動車、燃料電池車の3車種を対象として補助金を支給する。
これら3車種のうち、ハイブリッドカーは技術が基本的に確立し、生産コストが低く、関連のインフラ設備を新たに建設する必要もなく、量産化を実現するための条件が整っているため、今回のモデル事業では重点対象に位置づけられている。電気自動車と燃料電池車は短期的には量産化の条件が整わないが、関連の技術を蓄積し、未来の自動車産業発展のポイントをつかむために、小規模な商業化を達成して普及活動を進める必要があり、このため財政補助金の交付対象となった。
補助金の交付基準は、省エネ・新エネルギー車と同車種の一般車との価格差に基づき、産業化や技術発展などの要因を考慮して設定したものだ。補助金を受ければ、新エネルギー車の実際の販売価格は一般車に近いものになる。
「人民網日本語版」2009年3月12日 |