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内容の要旨  
2008年 中国の国防

 

十三、国際安全協力

中国は平和共存5原則(領土・主権の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存の5項目からなる)を踏まえてすべての国と友好関係を発展させることを堅持し、政治上の相互信頼を増進し、安全協力を行い、共同の安全を確保している。

地域安全協力

中国政府は上海協力機構の枠組みの下での多国間協力に積極的に参加している。2007年8月のビシュケクサミットでは、上海協力機構加盟国は『長期にわたる善隣友好協力条約』に調印し、安全保障協力の堅固な政治・法律基盤を打ち固め、加盟国の政治上の相互信頼が新たな段階に達したことを示している。加盟国の武装力が第1回反テロ合同軍事演習を行い、加盟国の防衛・安全協力における最新の成果を示し、地域のテロリズム、分裂主義、極端主義の勢力を大いに震え上がらせた。加盟国は『合同軍事演習の実施に関する協定』、『国防部協力協定』、『兵器・弾薬・爆発物の不法販売輸送の共同取締りに関する政府間協定』に調印し、『反テロ専門人員養成協定』などの法律文書の制定を完了し、また情報安全などの新しい分野における協力をスタートさせ、『国際情報安全に関する行動計画』を制定した。加盟国の検察総長、最高法院(最高裁判所)院長、国防相、法律執行・安全保障部門のトップが定期的に会談を行い、司法、国防、法律執行・安全保障などの分野における協力を深めた。

中国はASEAN地域フォーラム(ARF)の役割を高度に重視している。2007年8月に行われた第14回ARF閣僚会合では、中国側は新しい安全観がアジア・太平洋地域の多様性と共同の利益を基礎とした安全観と安全モデルであり、アジア・太平洋地域の平和・発展・進歩・繁栄の内在的法則と要請にかなうことを強調している。2年来、中国はインドネシアと海上安全に関するARF円卓会議を主催し、タイと麻薬取締りに関するARFセミナーを主催した。中国が提唱し起草した「災害救援協力に関するARF一般ガイドライン」は第14回ARF閣僚会合で採択され、ARF最初の災害救援を指導する構造的文書となった。

中国とASEAN、ASEANと中日韓の非伝統的安全分野における協力が進んでいる。2007年1月と11月に中国は中国とASEAN、ASEANと中日韓の首脳会合で、非伝統的安全分野における協力を強化するための一連の提案を提出し、防衛協力と軍事交流のメカニズムを構築する重要性を強調した。2008年3月に中国とASEANの第1回ハイレベル防衛学者対話を主催した。6月にASEANと中日韓の第2回武装部隊による国際災害救援についてのシンポジウムを主催した。

国連平和維持活動(PKO)に参加

中国は国連安全保障理事会の常任理事国として、『国際連合憲章』の主旨に合致した平和維持活動を一貫してサポートし、それに積極的に参加している。1990年以来、人民解放軍は計18項目の国連平和維持活動に参加し、将校・兵士延べ1万1063人の平和維持部隊を派遣し、8人の平和維持部隊の将校・兵士が任務遂行中に殉職した。2008年11月末現在、中国は1949人の平和維持部隊の将校・兵士が国連の9カ所の平和維持任務担当地域と国連の平和維持部門で任務を遂行している。そのうち、軍事監視員と参謀将校は88人、国連コンゴ民主共和国ミッションとして赴いた工兵分隊は175人、医療分隊は43人、国連リベリア・ミッションとして赴いた工兵分隊は275人、輸送分隊は240人、医療分隊は43人、国連スーダン・ミッションとして赴いた工兵分隊は275人、輸送分隊は100人、医療分隊は60人、国連レバノン暫定隊として赴いた工兵分隊は275人、医療分隊は60人、国連・アフリカ連合(AU)合同平和維持活動部隊として赴いた工兵分隊は315人である。2000年以来、中国は7つの平和維持任務担当地域に延べ1379人の文民警察官を派遣した。現在、208人の中国の文民警察官がリベリア、コソボ、ハイチ、スーダン、東ティモールで平和維持任務を遂行している。

対外軍事交流と協力

人民解放軍は国の対外政策を貫き、非同盟、非対抗、第三者に矛先を向けることのない対外軍事関係を発展させ、さまざまな形の軍事交流と協力を繰り広げ、相互信頼、相互協力の軍事的安全環境を整えるよう努めている。

オープンで実務的で、活発な軍事外交の新しい状況を作り出している。中国はすでに150余カ国との間で軍事面での関係を結んでおり、109カ国に武官処を設置し、98カ国が中国に武官処を設置している。ここ2年らい、人民解放軍のハイレベル軍事代表団が40余カ国を訪問し、60余カ国の国防相、参謀総長が中国を訪問した。中ロ両国軍隊は戦略的相互信頼を深め、ハイレベルの相互訪問を頻繁に行い、両国の国防相は率先してホットラインを通じて連係し、さまざまなレベル、多分野の実務的な協力が引き続き深く発展している。中米軍事関係はじょじょに発展をとげており、中米国防部、国防省間のホットラインが正式に開通し、両国軍隊の最初の士官間交流が行われ、朝鮮戦争前後の米軍の行方不明者を探すための軍事保存書類上の協力が正式にスタートした。中日防衛関係は進展をとげており、第7回、第8回の防衛安全協議が行われ、最初の艦艇の相互訪問が実現し、海上連係メカニズム設立のための第1回専門家グループ協議が開催された。ASEAN、インド、パキスタンなどの周辺諸国との防衛交流に新しい進展が見られ、中国とインドは防衛安全協議をスタートさせた。欧州諸国の防衛部門や軍隊との交流ルートが滞りなく進められており、また発展途上国との軍事交流が強化されている。

二国間または多国間の合同演習・訓練を積極的に行っている。2007年以来、計20余カ国と20回以上の合同軍事演習または総合訓練を行った。2007年8月に中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国は上海協力機構の枠組みの下において、中国の新疆ウイグル自治区とロシアのチェリヤビンスク州でテロリズム、分裂主義、極端主義の取締りをテーマとした合同反テロ軍事演習を行った。これは人民解放軍が海外で参加した最初のかなり大規模な地上と空の合同演習であった。2007年7月と2008年7月に、それぞれ中国の広州とタイのチェンマイで中国・タイ陸軍特殊戦闘反テロ合同訓練を行った。2007年12月と2008年12月に、それぞれ中国の昆明とインドのベルガウム地区で中国・インド陸軍反テロ合同訓練を行った。中国はロシア、イギリス、フランス、アメリカ、パキスタン、インド、南アフリカなど14カ国の海軍と二国間海上合同訓練を行った。中国は一部の国々とさまざまな科目や形の多国間海上合同訓練を行った。2007年3月にアラブ海域でパキスタンなど7カ国と「平和―07」海上合同訓練を行った。5月にシンガポール付近の海域でシンガポールなど8カ国と西太平洋海軍シンポジウムの多国間海上合同演習を行った。10月にタスマン海域でオーストラリア、ニュージーランドと三国海上合同捜索救助演習を行った。

人材養成分野における協力と交流を行っている。海外へ派遣された軍事留学生の人数が増加し、2年来、30余カ国に軍事留学生を900人以上派遣した。軍隊の20校の大学・学校がそれぞれアメリカ、ロシア、日本、パキスタンなどの20余カ国の相応の学校と提携関係を結び、維持している。計130余カ国の4000人以上の軍事人員が受け入れられ、中国の軍隊の大学・学校で勉強している。

軍事交流と協力をさらに推し進め、軍事面の相互信頼を増進している。2008年5月に中国国防部は報道官制度を設けた。新たに設置された国防部報道事務局は、定期的または不定期に記者会見を行うことや書面による発表などのやり方により、軍隊の重要なニュースを公表している。

 

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