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内容の要旨  
2008年 中国の国防

 

十一、国防科学技術産業

中国は国防科学技術産業の改革・革新を加速し、軍需産業の戦略的構造調整、専門化をめざす再編成を推し進め、兵器・装備の開発における自主的革新能力を向上させ、軍隊と民間が結びつき、軍需産業を民間産業と融合させる新しい国防科学技術産業システムを構築するよう努めている。

体制・メカニズムの革新を推し進める

兵器・装備の整備と社会主義市場経済の発展の需要に合わせて、中国は国防科学技術産業の管理体制をたえず改革している。第11期全国人民代表大会第1回会議で可決した『国務院機構改革プラン』に基づき、中華人民共和国国防科学技術工業委員会を残すことをやめ、国家国防科学技術工業局を設けることになった。

2007年に国務院は『国防科学技術産業の投資体制改革の深化に関するいくつかの意見』を批准し、政府が効果的にコントロールする、社会資本が参与する、仲介サービスが規範化される、監督管理がしっかりしている、軍隊と民間が相乗的に影響し合う新しいタイプの投資体制を確立することをはっきりと打ち出し、国防科学技術産業の発展のためのオープンな枠組みがじょじょに形成されている。国防科学技術産業の投資分野がさらに拡大し、投資構造がさらに最適化されている。投資方式について、直接投資を主とするものから、直接投資、資本金注入、投資補助などのさまざまな方式をともに取り入れることへ転換している。

中国は軍需産業の体制・メカニズムの転換を推し進めることに力を入れ、小さな中核、大きな協力、軍需産業を民間産業と融合させる新しい国防科学技術産業システムを初歩的に構築した。戦略的構造調整を促し、軍需産業の主体を精鋭化し、国防科学技術産業の構造的矛盾が根本的に解決されつつある。軍需産業の株式制改造を着実に推し進め、財産権構造の多元化改革を積極的に模索し、条件にかなった優位性のある企業全体の体制改革・上場を重点的にサポートし、専門化をめざした再編、産業・大学・研究機関の結合を奨励している。軍需産業の体制改革・上場を規範化し、その監督管理を強化し、関連法律・法規制度を充実させている。

兵器・装備の科学研究・生産システムを完備する

兵器・装備の科学研究・生産許可制度を確立し、充実させている。2005年5月に公布された『兵器・装備の科学研究・生産許可の実施方法』に基づき、国防科学技術産業は兵器・装備の科学研究・生産許可を分類管理する制度を実施し始めており、兵器・装備の科学研究・生産に対する国のコントロールを維持するとともに、非公有制経済が兵器・装備の科学研究・生産分野に進出し、開発と生産任務の競争に参加することを許可した。2008年3月に国務院、中央軍事委員会が公布した『兵器・装備の科学研究・生産許可の管理条例』は、この制度をいっそう充実させた。

兵器・装備の基礎能力づくりを強化する。兵器・装備の設計・開発の情報化レベルを高め、製品設計のデジタル化、モジュール化、汎用化、信頼性を進めている。デジタル・シミュレーション、半実物シミュレーション、多くの重要なハイレベルの実験・検証施設をつくり、設計レベルと開発の成功率を引き上げた。トータルな組み立て・インテグレート能力を向上させ、一部の中堅企業が組み立て・実験・テストの一体化とシステムの総合インテグレートを実現した。コアとなる製造能力を大幅に引き上げ、複雑な部品の加工、精密な製造、特殊熔接などのプロセスの技術問題を集中的に解決した。業種全体にサービスする多くの大型の基礎実験施設をつくり、品質の信頼性の検査、部品の老朽化の選別などを行う専門化検査・実験センターを建設し、計量や標準などの軍需技術の基礎保障条件を改善した。基礎能力の整備を通じて、兵器・装備の供給能力が飛躍的発展をとげた。

国防科学技術産業の創造革新システムの構築に力を入れる。政府を主導とし、政策や投資などの手段によって創造革新にとってプラスとなる環境をつくり、創造革新活動を導いている。軍需産業における科学研究機構と企業を中堅とし、基礎的科学研究機構と大学を強力な新生力とし、産業・大学・研究機関の連携という優位を生かして、国防科学技術産業の自主的創造革新能力を向上させている。国の重要な科学技術の特定項目、重要な国防科学研究、兵器・装備研究開発のプロジェクトをプラットホームとして、すぐれた人材を発見し、引きつけ、それらを養成、活用し、国防科学技術産業の創造革新・発展のための人材基盤をさらに強化している。

対外協力を強化する

国防科学技術産業は互恵・ウィンウィン、共同発展の原則に従い、対外協力を行っている。先進国との軍需産業技術交流・協力を重視し、外国の先端的な技術と管理の経験を学び、それを参考にしている。発展途上国との互恵協力を強化し、協力相手国の実情と具体的ニーズに合わせて、多くの重要な協力項目において共同開発・共同生産を行っている。受け入れ国の正当な自衛能力に役立ち、関係地域および世界の平和・安全・安定を損なわず、受け入れ国の内政に干渉しないなどの原則を踏まえて、軍用品の輸出を行っている。

国防科学技術産業は軍隊と民間が結びついたハイテク産業の対外協力を積極的に行い、ハイテク民用品、付加価値の高い民用品の開発に力を入れている。航空宇宙製品の海外市場開拓が大きく進展をとげ、衛星完成品の輸出ゼロが打破され、ブラジルとの協力による資源衛星プロジェクトが両国の国民経済の建設のために重要な役割を果たしている。航空分野における対外協力のレベルや質が大幅に向上し、民間航空機の海外市場開発で新たな進展をとげた。民用船舶の輸出製品は系列化と量産化を実現し、海外市場におけるシェアがさらに上昇することになった。

 

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