本誌記者 蘭辛珍
2008年12月23日、人力資源・社会保障部就職促進司の于法鳴司長は北京で開催された全国政治協商会議主催の「中国第1回人口資源環境発展態勢分析会」の席で、就業を促進するための政策を起草中で今後1、2カ月のうちに発表することを明らかにし、次のように述べた。
「中国の就業状況への金融危機のマイナス影響が次第に拡大し、2009年には2400万人が就職を必要としているが、就業情勢は非常に厳しい」。
増えつつある失業者
2008年12月初め、人力資源・社会保障部がまとめた「就業への金融危機の影響に関する最新データ調査レポート」によると、2008年11月末現在、中国の主要労働力の輸出省・自治区である四川、重慶、河北、安徽、江西、河南、湖北、湖南、広西、甘粛などの出稼ぎ労働者の故里帰還者総人数は485万人に達し、2008年9月末の出稼ぎ労働者人数の5.4%を占めている。
于法鳴司長によると、2008年12月末現在、上述の省・自治区の出稼ぎ労働者人数は1000万人を超えたという。
2008年までは、中国では「出稼ぎ労働者不足」現象が現れ、多くの民営企業は労働者の募集に悩んでいた。しかし、2008年になって人民元上昇などの諸要因によって輸出が減少し、閉鎖せざるを得ない企業が多く現れ、企業の雇用が減少し、労働者不足の問題が緩和する一方、労働者の失業現象が現れたところもある。2008年9月以降、金融危機の影響によって、多くの労働集約型企業が倒産し、多くの労働者が失業してしまった。
失業者の中には、低いレベルのスキルしか持たない出稼ぎ労働者のほか、外資系企業や国有企業の労働者、ひいてはハイテク業界のホワイトカラーもいる。
于法鳴司長の話によると、世界経済金融危機の影響を受けて、現在、雇用需要は急減しつつあり、沿海地区から中西部地区へ、輸出指向型生産企業から国内指向型の各種企業へ、労働集約型の中小企業から一定規模以上の大中型企業へ、出稼ぎ労働者から都市部の労働力、特に大学卒業生へと蔓延する趨勢を呈している。
失業が増加するとともに、2009年には都市部で1300万人の労働力が就職を必要としており、その中には600万人余りの大学卒業生が含まれている。
「現在の状況から見れば、雇用部門の募集願望が顕著に下がり、大学卒業生の就職問題がさらに深刻化し、就業情勢の安定に直接影響を及ぼしている。それとともに、企業の人員削減現象が蔓延し、就業者から失業者となるものや就業者ゼロ世帯がさらに増え、長期間の失業者やさまざまな困難を抱えている者、身体障害者の就職がさらに難しくなるだろう」と于司長は言う。
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