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西側がチベット問題を口実に中国と駈け引き

 

12月6日、サルコジ大統領は中国人民の強烈な反対と中国政府の再三の厳正な申し入れを顧みず、フランス大統領とEU当番議長の二重の立場でダライとの面会に固執した。フランス側の行動は中国への粗暴な内政干渉であり、中国の核心的利益を深刻に損ない、中国人民の民族感情を深く傷つけ、中仏と中欧関係の政治的基礎を損なった。中国政府はこれに対して断固たる反対と強烈な抗議を表明した。中国のこの強硬な姿勢は国際世論の高い関心を引いた。これまでずっと穏やかな態度をとってきた中国はなぜこれほどまでに怒ったのか?フランス政府のやり方は中国の国家利益のボトムラインに挑んだのではないか?本誌の閻威記者がこれらの問題について清華大学国際問題研究所の閻学通所長にインタビューした。

── フランスのサルコジ大統領がダライ・ラマと面会すると表明したため、中国政府は第11回中国・EU首脳会合への参加を延期させることを決めました。中国のこの決定をどのようにお考えですか。

閻学通 チベット問題は中国の主権問題、領土問題であり、中国の核心的利益に及ぶものでもあります。馬英九氏が台湾地区の指導者に当選した後、両岸関係が改善され、台湾問題も端のほうに追いやられ、もはや西側が中国を抑止するための道具にはなりません。そこで、西側はチベット問題で中国を牽制するようになりました。その最も直接的な手段が海外でのダライ・ラマとの面会ということです。そういうわけで、ダライとの面会が台湾問題に取って代わったのです。この策略をとったのはフランスだけでなく、この前ドイツも同じことをしました。今後も模倣する国があると思います。

── ヨーロッパは中国の決定について強い反応を示しました。それは何故ですか?

閻学通 実はヨーロッパはこれについて2つの態度を取っています。EUの反応はフランスと違うものです。EUは会合の延期について「遺憾」の意を示しましたが、フランスは「大統領の決定は変えることができない」と表明しました。EUの態度はヨーロッパすべての国を代表するものです。何故ならヨーロッパ諸国の政治的立場がフランスと全く同じなことはあり得ないからです。EUの態度は比較的穏やかなものです。

フランスが強い反応を示した原因は、次の3点があります。①「3.14」事件に対するフランスのメディアの報道がフランス国民にダライが正義だというイメージを残したこと。②中国が中国・EU首脳会合を延期させた目的は実は、フランスのサルコジ大統領に矛先を向けたもので、フランスへの報復であり、EUに対するものではないこと。中国はEU首脳との会合を断ることはありません。その上サルコジ当番議長は12月31日で任期満了になります。③「フランスは政治面で中国に多大な支援を与えたが、経済協力の面でフランスは中国から特別な配慮をされていない」という認識がフランス社会に行き渡っていること。サルコジ大統領は07年11月の訪中期間中、中国と200億ユーロの経済貿易協定を結びましたが、「この200億ユーロの契約はフランスとその他の欧州諸国が共に享有するもの」とフランス国民は認識しています。フランス国民は中仏二国間貿易を重く見ています。現在、中仏二国間貿易は中独貿易より少ないので、フランス人はアンバランスな思いを抱え、中国が然るべき重視をフランスに与えていないと感じているのです。

── 今や世界各国が協力を強めて金融危機に対応している背景の下で、中国・EU首脳会合を延期させたことは中国・EU関係、ひいては世界にどんな影響をもたらすでしょうか。

閻学通 本来は金融危機の対応における協力強化は中仏関係に積極的な役割を果たすと思います。しかし、現在、協力が足りないことで両国間の矛盾が増しました。フランスは、金融危機の中で中国はフランスと協力する意向を示していない、と見ています。フランスがG20金融サミットで提起した改革案は実は、国際金融におけるユーロの地位を高めるためですが、これについて中国からの明確な支持を得られませんでした。中国と日本はドルの下落を望まないし、ドルが余りにも早く基軸通貨としての地位を失うことも望んでいません。ドルの過度な下落は中国と日本に大きな損失を与えることになるからです。中国はこうした考えから、ユーロをドルと等しい地位に置くというフランスの主張について有力な支持を与えていません。これもサルコジ大統領がダライと面会する原因の一つです。

今回の金融危機は短期間のものでなく、おそらく一年半以上続くことになるでしょう。金融危機の期間、中仏両国の経済は困難に陥るでしょうから、双方が貿易面でより大きな妥協をする余地も相対的に小さくなり、このことで中仏の経済摩擦が深刻化することもあります。

── 対外関係の中では妥協できる問題もありますが、ボトムラインは必ず守らなければなりません。中国外交のボトムラインはどこにあるとお考えですか?

閻学通 主権問題で少しの譲歩もしないという原則が中国外交のボトムラインだと思います。ところが、国家間の摩擦はほとんど主権問題によるもので、主権と関わりのない問題は往々にして解決されやすいものです。主権問題を解決する過程で妥協が生じた場合は、どうしても対等でなければなりません。最低限のボトムラインは対等ということであり、対等でない妥協は国の利益を守るのにマイナスとなります。

「北京週報日本語版」2008年12月8日

 

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