効果のほどはこれから
財政部財政科学研究所の劉尚希副所長は増値税転換改革の実施を楽観視しているが、経済促進の目的を達成できるかどうかについては、確答を避けている。
劉副所長は、「4年間にわたる試行を経て豊かな経験が蓄積され、増値税転換の減税政策はすでに成熟し、実施のための妨げは大きくはない。しかし、減税の目標が実現できるかどうかはまだ不透明だ」と言う。
劉副所長によると、管理が良く利益が好調な企業にとっては、この措置はそれまでの決定に何ら影響を及ぼさず、赤字企業や市場のない企業にとっては何よりも大切なのは生き残ることで、設備の購入どころではないため、その企業行為には影響を及ぼさない。損益の瀬戸際にあるものの見通しの明るい企業のみが減税のために設備投資を増やすことになる。そのため、この政策が投資を刺激するという目的を達成するのは容易なことではない、と劉氏は言う。
実際には、増値税控除を実行する中で、控除額は地方政府の確認や認可を必要とするため、地方政府の財政収入の問題に関わり、いったん実施すれば複雑な問題があり、長い時間がかかるだろう。これは新しい増値税政策を実施するうえで1つの難問である。
2004年に東北地区が増値税転換改革を実施した際、国家税務総局は、この政策の実施によって毎年、当該地区の試行企業は100億元の税金を減らせると推計していた。しかし、具体的に実施されたあとの国家税務総局の統計データによると、2004年下半期、東北地区ではわずか12億元、2005年には40億元、2006年には約50億元が軽減されただけで政策実施前の予測データより遥かに低いものだった。
各界の意見をまとめると、減税が予測と合致しない原因が二つあることがわかった。一つは固定資産購入時の税額控除手続きの煩雑さ、もう一つは地元の政府関係者が財政の大幅な減少を望んでいないことであった。
このため、増値税転換改革が減税と経済刺激に実際の効果があるかどうかについては、なお観察が待たれる。
「北京週報日本語版」2008年12月3日
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