目的は経済発展の促進
国家税務総局税収科学研究所の張培森研究員は「増値税改革は企業により多くの資金があるということを物語るもので、企業の投資を刺激、拡大し、内需を拡大するための重要な手段だ」と語った。
消費型増値税が投資に対するモチベーション効果があることはエコノミストはみな認めている。そのため、今、経済が低迷する時期に改革を実行すれば、経済発展に対する促進作用を果たすことになる。
世界経済による中国へのマイナス影響を食い止め、経済の急速な下降や大きな変動の発生を防ぐため、中国の管理者層は輸出を安定させるとともに、内需を拡大するためのより有力な措置を打ち出している。今後2年間での4兆元の投資規模のほか、3000億元の減税計画もあり、増値税転換は減税計画の重要な一部分である。
財政部の情報によると、現在、1400万余の増値税納税者のうち一般納税者はわずか120万余で、そのほかは小規模納税者である。小規模納税者のうち、商業の税率は4%、工業の税率は6%である。増値税転換後には、毎年、企業の税支出は1200億元余り軽減する。これは中国の歴史上、一項目の税制改革においては軽減の度合いが最も大きなものである。
2007年に中国の財政収入は5兆元を超え、増値税転換改革に後ろ盾を提供した。
中信建投証券公司のアナリスト、李鋼氏の話では、増値税転換の実施は企業の支出を軽減するとともに、企業の利潤を上げることにもなる。増値税転換改革後、企業の税負担軽減額は企業の固定資産投資総額の7.81%~15.32%を占め、大まかな予測によると、増値税転換後には企業の利潤は転換前の6%~8%増えると予想される。
増値税転換後は企業がコストの支出を減らし、マネーフローを改善することで、企業の投資を刺激し、企業が進んで設備を更新するようになり、市場競争力を強めることになるだろう、と李鋼氏は言う。現在米サブプライムローン危機による金融危機が実体経済に重大なマイナス影響を及ぼしており、このような情勢のもとで、増値税転換改革を適時に打ち出したことは、企業発展の持続力、中国の企業競争力とリスク抵抗力の増強に非常に重要な役割を果たしている。
「この政策の実施が中国経済の持続的かつ平穏で速めの発展に積極的で促進的な役割を果たすことを信じている」と李鋼氏は語る。
増値税転換は現在融資に困っている中小企業にも有利だと李鋼氏は言う。小規模納税者の徴収率の引き下げによって、中小企業の税負担を減らすことになるからだという。このほか、財政部と国家税務総局は今後、増値税や営業税の徴収基準引き上げなどの政策を通して課税面で中小企業の発展をさらに奨励する可能性もある。
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